不思議小話
第44部


  1. 19歳の夏に、私は京都の深泥ヶ池へ夜の2時頃に6人で肝試しにいき、その後どうしても自分で納得出来ない事故に遭いました。

    まず私の友人(肝試しの同乗者)が、その1週間後の日のほぼ同じ時刻に、普段ゆっくり走る交差点を120km位で左折しようとし、対向車線の自動車展示場のガラスに突っ込みました。
    幸い軽傷で済んだのですが、見舞いに行ったとき、「なんかオレ。とり憑かれていたみたいやった」と何度も言うのです。

    まあ、バイト疲れがたまったんやろうと思っていましたが、その丁度1週間後に、私も同じ場所で同じようなスピードを出してガラスに突っ込みそうになりました。
    その時に同乗していたのが肝試しの連中ばかりで、入院しているもう一人以外は全員その時のメンバーでした。
    そこで気づけば二の舞を踏まずに済んだのに、その後に、緩やかな直線を130km位出して、横転してしまいました。

    確かに私はとり憑かれていました。
    なぜかわかりませんがアクセルを踏み続けていたのを覚えています。
    ブレーキを踏まないといけないという気持ちが全く起こらず、何かに吸い寄せられそうに前を向いていたのを覚えています。

    その後、同室に一緒に入院した友人(同乗者)と「きっとあの時の肝試しで何かとりついたんや」などと話していました。
    その夜、友人が何度も私を起こして「なんか聞こえるやろ」と言うのですが、眠たくて「聞こえへんけど…」と取り合いませんでした。
    翌日、その友人が青い顔をして「オレ、実は深泥ヶ池で見たことで、みんなに話していないことがあるんやけど…」とその時の体験を話してくれました。

    「何度も鬼のような顔の女の子が遠くから睨んでるように思えて気持ち悪かったんや。
    でも雰囲気がそう思わせるのやと思って、忘れようとしてた。
    それが、昨夜何度も夢の中に出てきて、ふと目が覚めたら水がポチャポチャ落ちる音が聞こえたんや」というのです。

    先に事故を起こした方の友人は既に退院しており、そういえば見舞いに来た時に…。
    「オレ、池の縁で水がポチャポチャ落ちる音が聞こえてた。たしかあの辺は流れ込む川や溝はなかったし、変やと思ってた。
    それに奥の方に人影が見えたので、民家やと思って気にしなかったけど、退院してから前を通ってみたら山裾だけ。人が立っているとは思えん場所やったわ」とのことでした。

    理由はともあれ、その時のメンバー全員でお祓いにいきました。
    [百物語]
    ポチャポチャ。何だったのでしょう…。

  2. もう今はほとんどないけれど、金縛りにしょっちゅうかかる時期がありました。
    始まりは小学1年生のとき。蒸し暑い夏の夜、突然目が覚めると身体が動きません。

    そしてお経をよむような低い声が聞こえます。それに、背中をなぞる冷たい手の感触。
    恐くて恐くて「お母さん!!」と叫んだつもりが声にならず、冷や汗で身体も寒くなって。
    その後、解けたものの、それからは小学4年生になる頃まで、一人で眠れなくなってしまいました。

    それでも、来る時は来るものなのですけどね。
    両親の間で寝ていても金縛りに遭ったこと、何度もあります。
    私は見えはしないんですが聞こえるタイプの人間みたいです。
    でも、昔、家で飼っていた猫たちは見えていました。

    目の前の壁を通り抜けたり。でも、こわくはなかったです。
    廊下を歩く音、ふすまが開く音(実際はあいていません)、声など小学1年生だったあの日から頻繁に聞こえていました。
    その中でも一番恐かった金縛りの体験は、男の人と分かる人に身体を触られて超気持ち悪いから、もがいていたら「だめだ。俺を離すな」と言う声が耳元でしたことです。
    その後、手が私の身体から離れていくのも感じました。

    高校生の時、カナダに留学が決まったころまで金縛りにあう癖は直らなくて、留学が決まった時そういえば、もう金縛りとはおさらばだと喜んでいたんです。
    が、こっちにも幽霊いましたよ。それでびっくりしました。

    来てすぐのこと。明け方目が覚めると、足元が重くて身体が動きません。
    まただと思った瞬間、気高い笑い声が聞こえ、重い物体がゆっくりとベッドを這い上がって来るんです。
    どうしようと思った時、その家で飼われていた犬が私のベッドに駆け上ってきて助かりました。
    その時くらいから金縛りもだんだん減って今はほとんど遭いません。

    あ、でももう一つ思い出しました。
    大学にあがってから姉とそのルームメイトと3ヶ月くらい暮らしていた時のことです。
    そのころ私は朝、早起きするよう心がけていたので、一人で姉の部屋で寝ていました。

    姉はリビングルームでルームメイトとおしゃべりか何かをしていて、でも突然黒い影が自分の部屋に入って行くのを感じたらしく、その私が寝ていた部屋へ入ってきました。
    私は案の定、金縛りにあっていて何かの視線を感じていたのでうなっていました。
    その後、姉が起こしてくれて金縛りから解けた私は、姉たちに加わって話をすることにしました。

    それから何時間かたって、私がまたウトウトしはじめた頃、突然、二人が叫んだのです。いま一瞬、部屋の明かりが消えた!と。
    それはその後2,3回起こりましたが私だけ見てないんです。
    それどころか、更に二人は、部屋のすぐ横を妙に明るい物体がすごいスピードで動き回るのを見たらしいのです!
    そしてなぜか私たちの飼っている猫のひげがなくなっていた…。

    あれがUFOの仕業なのかは分かりません。
    でも金縛りの後に説明がつかないことが起こってなんだか不安な一夜でした。
    私は最近は金縛りにあっていません。
    でもあれはいつくるのか予測がつかないのでいまだに恐いです。
    来る!と感じる時はもう遅いのですから…。
    [さばんな@attcnd]
    猫のひげを所望するとは、いったい何者…。(^^;

  3. こんにちは。初めてメールいたします。
    いつも恐い思いをしつつ、楽しく読ませていただいております。
    こわくないですが、不思議な話を一つ投稿します。

    私自身が体験した実話です。
    尾ヒレも背ビレもつけていません。体験したことそのままを書きました。

    不思議な夢を見ました。ひと月前くらいかな。
    夢の中で私は自宅の自分の部屋にいつものようにいました。
    そこに父親が入ってくるんですが、「なんや調子がおかしいねん」と言うのでその顔を見ると、恐ろしい程に膨れあがっているんです。

    ビックリして夢の中で悲鳴に近い声を上げて「救急車を呼ばなくちゃ」と電話に走りながら、フと、隣の部屋を覗くと母親が寝ているんです。
    で、その顔を確認すると、母親の顔に骸骨が重なって見える。
    さらに真っ青になって「まずとにかく救急車!」と思って電話をかけようとするんですが、電話番号が思い出せないんです。

    あせって番号を思い出しながら「助けて!」と心の中で必死に叫んでいました。
    …と、不思議にだんだん父親の顔がもとに戻ってきたんです。
    で、母親に重なって見えた骸骨もスウッと消えて、もとの母親のやさしい顔になった。

    ものすごく安心しながらも「?なんだろ??」と思ったとき、足元をチラッと見慣れた白い尻尾がかすっていきました。
    昨年、14年で死んでしまったウチの愛犬ポチの尻尾が見えたんです。
    その尻尾を追いかけたらやっぱりポチで、生前の元気だった時と同じように、ホントにうれしそうな顔をして尻尾をブンブン振り回しながら、私の顔をなめてくれて。
    で、私もポチの背中をギュッと抱きしめていて。

    その毛をさわった感覚には、リアリティと、とても安心感があって。
    その時、私はもうポチに会えたことがうれしくてうれしくて、何か考える余裕もないくらい必死になって、ポチの背中を撫でていました。
    しばらくそうやってポチになめられながら抱きしめていたら、私たちの周囲がサーッと真っ白く光りはじめて。
    ポチの顔を見ていたら、ポチはうれしそうな表情を浮かべたまま、光の中にスッと消えていって。
    そのときに、寝ていた状態から意識が半分戻ってきて、実際に背中の方からザーッとしびれが走って金縛りにかかっていくんです。

    が、目の覚める直前の夢の中では画面がガラッと変わり、寝ている私の頭全体に響き渡るような大声で「いまこそ解き放たれん」っていうようなことを誰かが言うんです。
    何か言い方は違ったと記憶しているんですが、とにかくそういう意味だと思ったんです。
    許されたとか、解き放たれたとかっていうイメージ。
    誰が言うのか、何が解き放たれるのか分からなかったんですが、感覚としてはなんというか、前進していくような強い前向きのイメージがあるんです。

    そこで意識が全て戻ってきて、キーンという耳鳴りと背中から全身に伝わって痺れている金縛りの状態から抜け出そうと、口から出せる声を出しながら、ガバッと寝返りをうちました。
    多分、まともな声になってなかったと思いますが(^^;

    すると、金縛りがとけて、痺れがサーっとひいていって、はっきりそこで目をあけました。
    時間は午前4時20分ごろだったか。
    部屋に充満していた緊張感がだんだんひいていき、またウトウトし始めるまで、だいぶ時間がかかりましたが、この夢は忘れられません。

    愛犬ポチが生前と同じように、走ってきてノシ!と両前足を坐ってる私の肩にかけてうれしそうに顔をなめるっていう、私にとってはこの上ない幸福の瞬間が今でも明確に心に残っています。

    ちなみにポチは柴犬とビーグルの混じった雑種の犬で、タフタフの耳にクリンとした大きな瞳の愛らしいオス犬でした。
    ではまた。
    [ポチ公@]
    足を肩にかけている凛々しい姿が目に浮かびそうです…。

  4. 怖くないけど猫の話。

    友達のダンナさんの実家(長野の田舎なんですが)の敷地内で野良猫が死んでいたそうです。
    可哀想に思ったうちの人が埋めてやったんですが、なぜか同じ場所で何度も猫の亡骸が見つかるそうで。もちろん別の猫。
    あまり続くので、埋めてやらずそのまま置いといたら、その場所ではもう死ななくなったそうです。
    猫も供養してもらいたかったのかなぁ。

    もうひとつ。
    今から60年も前、四国の山奥で、母が産まれたんです。
    そして、その日の朝、飼っていた猫が大きなウサギをくわえてきたそうです。
    そのウサギでお祝いをした、と祖母が言ってました。

    家の庭に出入りする野良猫は、「袋いりのするめ\980」をくわえてきたんですが…たまに餌をやるお礼?
    [ゆかねこ@s]
    「象の墓場」ならぬ、猫の墓場だったのかも。自分で穴を掘ることができないので…なんてね。(^^;

  5. はじめまして、いつも楽しみにして読ませてもらっています。
    今日、ペットの話が載っていたので、僕の体験を思いだし、投稿します。

    小学5年生の時から雑種犬を飼っていました。
    チロという名前で、家族で可愛がっていたのですが、散歩に連れていて走らせると、よく倒れていました。
    死んだ後で知ったのですが「フィラリア」という病気だったようです。それでも8年は生きていました。

    生まれてから8年目、僕が大学1年生の夏休みのことです。
    夏休みの初日で、僕はバイトの初出勤でした。
    チロの散歩は、朝は父で夕方は僕というように分担しており、朝、バイトへ行く前に、いつものように散歩から帰ってきたチロを見ました。
    その時は変わった様子はありませんでした。

    バイトはちょっとした肉体労働で、その日はへとへとに疲れて夕方、家に帰ってきました。
    するといつものようにチロが散歩に連れていってほしいと鼻を鳴らせて鳴いています。
    その日は父の仕事が休みだったため、父に代わりに散歩にいって欲しいと頼みました。

    そして、シャワーを浴びていると、父がチロの名前を大声をあげて呼んでいます。
    飛んでチロの所にいくと、血を吐いて死んでいるチロがいました。
    父が触ると冷たくなっており、固くなっていたそうです。
    死んでから数時間は経っているようでした。

    僕は愕然としました。確かについさっき、チロの声を聞いたのに。
    幻覚、幻聴と思われるものは幾つかありますが、後にも先にも、はっきり霊体験といえるのは、これだけですが、僕には一生忘れられない体験です。
    きっと、チロは僕に会いたがっていたと思うのに、行ってやれなかったことを、今でも後悔しています。
    怖くもなんともないですが、僕の体験談でした。
    [まさ@]
    思い出を数多くつくるためにも、人間もペットも、健康管理には気をつけたいですね。

    フィラリア症:蚊を媒介として感染し、犬の心臓や肺の血管内にフィラリア(犬糸状虫)が寄生して起きる。 フィラリアの寿命とともに犬の命も終わるという恐ろしい病気。

  6. はじめて投稿します。いつも興味深く拝見しています。
    先日のKぴんさんの、太郎くんの話を読んで思い出した犬のエピソードです。

    とある年の正月、私は友人Aの家に泊まりがけで遊びに行きました。
    それはAの家族全員が家族旅行に出かけ、Aが留守番をしているから遊びに来い!ということでした。
    なぜAが留守番する必要があったかとゆうと、Aの家ではそのころ子犬を飼い始めたからなのでした。
    Aは家族との旅行も、かったるいので、進んで子犬の世話役を買って出たとの事でした。

    ところが、私が泊まった翌朝、その子犬は寒さで亡くなっていたのです。
    Aと私が子犬のことを忘れて飲んだくれていたからです。
    私といえば、さして罪悪感もなく自分の家に帰ってきたのです。

    ところが、その晩、異常に肩が重くなり、堪えきれずベットに入って横になった途端、高熱で三日間寝込んでしまいました。
    寝込んでいる間は、子犬の面影がチラチラ思い出され、ワンちゃんの祟りなのかなって思わずにはいられませんでした。

    えーと、これだけの話ですが、霊感もなく超健康体である私の、唯一の不思議&病気体験でした。
    [to@]
    自責の念からきた病か、それとも…。

  7. 初めまして。いつも楽しく拝見しています。
    全然怖くない話なのですが、私にとっては、とてもせつない話を送ります。

    私が子供の頃、太郎という雑種犬を飼っていました。
    太郎は黒と白のツートンカラーで、目がクリクリしていて家族によく慣れ、家族全員が可愛がっていた、とても可愛い犬でした。

    私が11歳の頃の出来事です。
    夜の散歩に出かけた太郎は、帰って来なくなってしまいました。
    当時は近所も保健所も、それほどうるさくなく、ウチでは夜になると太郎を放して自由にさせていたのでした。
    最初は家族も「どこかに気に入ったメスでもいるんだろう」と気にしてなかったのですが、さすがに何日も経つと心配し始めました。
    探し始めた頃に私の友人から「太郎に似た犬が何日も近所にうずくまっている」と連絡が入り、引き取りに行くと、やはり太郎でした。

    太郎は交通事故に遭ったらしく、下半身がぶらぶらの状態でした。
    普通、病院に連れて行きますよね?
    ところがウチの父は頑固者の独裁者で、「犬なんてものは自分で舐めて直すんだ!」と言い放ち、結局太郎は1週間も自宅で苦しむ事になりました。
    どうにもならなくて、とうとう病院へ連れて行き、手術を受けた夜に亡くなりました。
    家族全員が泣き、後悔しました。
    我が家には庭がなく、当時はペット霊園もなかったので、家がよく見下ろせる近くの山の中腹に、太郎は埋葬されました。

    太郎を埋葬して、3日ほど経った夜の事です。
    寝ていた父は突然、腰の痛みに襲われました。普段は頑固で独裁者で超頑丈な人がです。
    今まで腰が痛いなんて事のなかった人が、七転八倒の苦しみようだったそうです。
    これはおかしい、と思った母が「もしかしたら太郎が何か知らせているんじゃないかしら?」と言うと、普段は絶対そんな話は信じない父が「そうかもなあ」と言ったのです。

    太郎は、死んだ時に腰のあたりの骨がぐちゃぐちゃに折れていたのです。
    翌日、両親が、太郎を埋葬した場所へ行ってみると、太郎の遺骸は山の動物に掘り返されて食べられてしまい、骨があちこちに散乱していたそうです…。

    私がこの話を聞いたのは、それから何年も経った高校生の頃です。
    母の「太郎はお父さんが大好きだったんだよねぇ…。きっと『お父さん助けて』って知らせてきたんだねえ」という言葉に、涙が止まりませんでした。
    あんなに苦しんで、死んだ後にまで苦しい思いをさせてしまって…。
    可哀想な事をしてしまったと思います。

    これは、父の罪悪感からの思いこみや、単なる偶然なのかもしれません。
    でも私は、大好きだった父に、太郎が送ってきたメッセージだったと思いたいのです。

    今でもこの話を思い出すと、後悔と共に、太郎と野山を駆け回った子供の頃の思い出が鮮やかによみがえります。
    個人的で勝手な話を長々としてしまってすいません。
    今、動物を飼っている人、どうか悔いのないように大切にしてあげて下さいね。
    以上です。
    [Kぴん@]
    言葉を交わすことができなくても、どこかで繋がっている…。そう思いたいですね。

    大変申し訳ありませんが、ケガの描写は、原文のままとさせていただきました>ALL

  8. 僕が子供の頃、名古屋の覚王山の、ある銀行の社宅に住んでいた時のことです。
    そのころ僕は星が大好きで、よく夜空を眺めていました。

    3月くらいのある晩、時間は午前3時半頃、ふと夜中に目が覚めた僕は窓を開けて星を見ていました。
    3月でも、これくらいの時間だと夏の星座の蠍座などが見られるのです。
    夢中で星を見ていたのですが、ある時、前の建物3号棟の屋上に人のようなものがいることに気づきました。

    瞬間的に、これはこの世のものではないと分かりました。
    緑っぽい顔をしていて、かつ、赤っぽい服を着ているように見えました。
    すぐに窓を閉め、泣きながら布団に潜り込みました。
    僕の声で起きた母親に事情を説明しましたが、母には見えないようでした。

    それから父の実家である石川県に引っ越しました。
    ある時テレビを見ていて本当にビックリしました。
    テレビでは「小豆とぎ」という妖怪を紹介していたんですが、それが名古屋で見たあれに、すごく似ていたんです。
    しかしそれは、石川県の能登半島に伝わる妖怪で名古屋とは全く関係ないようなのです。

    あれはいったいなんやったんか、タイムマシーンがあれば確かめたいです。
    [tsuru@]
    些細な事でも気になりますよね、やっぱり。

  9. 「ほんとにあった怖い話」という漫画雑誌の1月号にブードゥに関した、ある本にまつわる話が載っていました。
    それで思い出した話しです。

    私が小学生の時、図書館でブラム・ストーカーの「吸血鬼」を借りました。
    今読めばそんなに怖くはないですが、その当時は結構怖くて、おまけに表紙の絵がとても気味悪かったので、寝るときに机の上に出したままにしておけず、引き出しにしまいました。

    で、布団に入って寝たのですが、夜中にふと目が覚めて机の方を見ると、急に引き出しが「がたがたがた」と音を出したのです。
    その後のことは覚えていませんが、次の日に本を返したことは覚えています。

    その頃は団地に住んでいて、ゴキブリはたくさんいたけど、ネズミなんかはいなかったんですけどね。
    [ちゃるぶう]
    カサカサッではなくガタガタですからね。もうビックリって感じですね。

  10. くりすです。すっかり間が空いたのですが、友人AとHの話を書きますね。
    「目次」で調べたら不思議小話の「私一人(980805投稿)」に溯ることになるのですが、AがHを見込んで頼み事をしたいと言った話です。

    箱根から東京へ戻った数日後、Aは私に、私とAを含む8人ほどで写っているゼミの写真を1枚渡しました。
    その中のMを示し「理由は分からないが恐くてしょうがない。その理由をHに教えて欲しい」と言うのです。
    私はMともそこそこ仲が良く、彼氏の話をはじめ、プライベートにかなり首を突っ込んだ話もしていました。
    同性の私から見ても、Mは顔も性格も可愛らしい、天使のような女の子でしたから、Aが何故そんなにMを怖がるのか分かりませんでした。

    後日、Hと会った時にAの依頼を伝えました。
    でも、私の心の中には「Hを試してみたい」という気持ちがあって、どの子がAにとって恐い存在なのかは伝えませんでした。
    話を聞いたHは暫く写真を見つめると、私の意地悪にも関わらず「この子ね?」とMを指差すのです。

    それだけでもビックリなのに、
    H:「この子は、前に妊娠して中絶しているでしょう?」
    くりす:え!知らない!!

    「でも、とても好きだった彼氏に捨てられて、ひどい目にあっているでしょう?」
    うん。

    「運が悪いわね。Aさん、その彼を横取りした女に似てるのよ。顔か名前かは分からないけど。だから憎しみの感情がAさんにも向かうのね」

    全部当たりです。
    Mはとっても好きだった彼に「他に好きな人ができた」って捨てられたことがあって、食事も喉を通らず、髪も束になって抜けるほど精神的にまいった事があって…。
    妊娠の事は聞いたことが無かったので事実かどうかは分かりません。

    第三者的には恐くないでしょうが、その場で知らないはずの事をズバズバ言い当てられるのって、とっても恐いんですよ。
    それに、天使のように優しい子でも人を憎むことがあるって事も…。
    [くりす@]
    この話をAさんに話したかどうか心配です…。もちろん、してないですよね。


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