不思議小話
第18部


  1. 一人暮らしを始めてから3,4日目のことでした。
    その日は、なかなか寝付けず遅くまでTVを見ていました。
    時間はすでに午前1時を過ぎ、聞こえるのは私の部屋のTVの音だけでした。
    新築のアパートだったため、私の両隣はまだ空き部屋で、とても静かです。

    そんな時、外から女の子の笑い声が聞こえてきたのです。
    アパート前の道路を笑いながら駆け回っているように感じられました。
    近所に住んでいる子供だと思ったので「こんな時間に何やってるんだろう」と不思議に思いつつもTVを見ていたのですが、一向にその笑い声が絶える様子はありませんでした。
    すると次第に声がアパートに近づいてきている事に気がつきました。
    階段を上がって2階の私の部屋の前までやってきたんです。
    そして、2階の通路を行ったり来たりしているんです。
    笑いながら。

    入居者が少ないとはいえ、なんて非常識な親子(子供が一人でいるとは思えなかった)なんだろうと腹が立ったのですが、玄関先まで行って注意する気にもなれなかったので、もう寝ようとTVを切りました。
    時計の針は午前2時を指していました。

    部屋の明かりを消し、ベッドに潜り込むと、その笑い声が私の部屋の前から遠のいて階段の方へ向かいました。
    やっと帰る、そう思ったのも束の間、その笑い声がベランダから聞こえてくるのです。
    階段側の角部屋のベランダから徐々に私の部屋のベランダへと、女の子の笑い声が近づいてきました。
    私は薄目を開けて暗い部屋の様子をうかがうことにしたのですが…。
    笑い声が私の部屋のベランダで止んだ次の瞬間、薄目を開けた私が見たのは、私の顔を覗き込むようにしてベッド脇に立つ、おかっぱ頭の女の子の姿でした。
    その女の子は、にぃーっと笑うと、玄関の方に姿を消しました。
    [朱里@202225021]
    遊んで欲しかったのでしょうか。

  2. はじめまして。いつも楽しく拝見しています。
    ニコラス・ケージのファンさんの満月のお話を見て、次の話を思い出しましたので投稿します。

    人の誕生や死は、潮の満ち引きと大きく関わっているとのことです。
    人は満潮のときに生まれ、引き潮のときに死ぬそうです。
    これはあくまでも自然分娩で生まれ、自然に息を引き取るときの話なので、現代社会では必ずしもそうとは限りませんが、ちょっと昔はこれは当然の考えだったようです。
    だから昔の人は、引き潮のときに子供が産まれるのを嫌がったそうです。
    死産のことが多いからです。

    私はこの話を父から聞きました。
    父は父の祖母から聞いたそうです。
    どなたか、この話を聞いたことがありませんか?
    人間は宇宙という大きな生命の中で、生きているんだなぁと改めて思います。
    [うに@150087248]
    そのとおりですね。

  3. あれは何時のことだったか、たしか小学校2年生位ではなかったろうか。
    私の実家は新潟県上越市の外れにあり、家の周りは太い杉の木に囲まれた昔風の古い大きな家で、昼でも薄暗い感じがしていました。
    ある夏の暑い日、昼は蝉時雨で賑やかですが夜はひっそりと静まり返り、月明かりのない時などは真っ暗で、目の前に人が立っていても、どうかすると気が付かないくらいでした。

    そんな蒸し暑いある日の明け方3時頃、寝苦しい感じがして目を覚ますと、母と姉の話し合っている声が聞こえてきました。
    眠い目を擦りながら、ああもう二人とも起きていると思い何気なく部屋の隅をみると、真っ暗な中に青いスーツ姿の男の人が立っているのが見えましたが、どこか変なのです。
    よく見るとスーツだけが見えて、顔も手も足も見えません。

    ビックリして悲鳴をあげると、足の方から上に向かってスーッと消えていきました。
    母と姉が何事かと駆けつけて来て、訳を聞くと夢でも見たんだろうと笑っていましたが、それにしては後から母と姉の、その時に話していた内容が一致したのはどういうことでしょう。
    今でも不思議に思っています。

    本当のことを言うと、この時が第1回目で、合計3回見ているのです。
    2回目は24才の事で、真っ昼間で服の色までは忘れましたが、ピンクのエプロンだけは、はっきりと覚えています。
    3回目は27才、これも昼でどしゃ降りの雨の中での事でした。
    [k.y@infoweb]
    いわゆる霊感が働いて見えたのか…。

  4. 10年近く前に公開されたニコラス・ケージ主演の「月の輝く夜に」という映画があり、それ以来彼のファンになりました。
    これは、満月が人間に不思議な作用をして普通ではしないことをやってしまうというものです。
    この映画の中では、主人公の女性とその婚約者の弟(ニコラス・ケージが演じている)が、ひょんなことから劇的に結ばれてハッピーエンドというお話でした。

    その後、私も満月を注意するようになりました。
    どうも満月が近くなると、人が生まれたり亡くなったり、生理になったり、情熱的になって行動したり、セックスをしたりと、この文明社会の現在でも月に操られているようです。
    私の場合は、友人が2月に出産したのですが、満月が近いからそろそろかなと思っていたら、その夜に彼女が出産して私が分娩室の外でご家族と一緒に待っていて、そこに生まれたての元気な赤ちゃんが運ばれてくるというものでした。
    男の子か女の子かはわかりませんでしたが、とても元気な鳴き声で、かわいかったのを記憶していました。
    これは、夜と言っても明け方近くに見た、夢でした。

    ところが、この次の日のお昼に彼女から電話があり、あいにく私は留守で母が電話を受けたのですが、元気な男の子を出産したと知らせてくれました。
    これには私もびっくりです。
    本当に予知夢ってあるのですね。

    そして、この7月、ずっと同居して長い間患っていた祖母が亡くなってしまいました。
    そのことは、とてもショックであまりに悲しくて、この夏はちょっとボーっとしています。
    その祖母が亡くなったのは、やはり満月に近づいたときで、夜9時に最寄りの駅に帰り着き、改札をでると目の前に大きなお月さまがありました。
    ほとんど満月でした。

    この2,3日前からちょっと祖母の具合が悪くなっていたので、満月を見てとても胸騒ぎを覚えました。
    家に帰るとすぐに祖母は危篤にもならず、すっと消えるようにあの世へと旅だっていきました。
    その日はいつもより早く帰宅できました。
    学校が終わった後、友達と遊んでいなかったからです。
    きっと祖母がそばに戻ってきて欲しくて、私も知らずにそうしていたのだと思いました。
    とにかく祖母を看取ることができてよかったと思います。
    父と母とお医者様とで、「大往生したおばあちゃん天国でも元気にいっぱい食べて楽しんでね」という、満月に関わる不思議なお話しをしました。
    これは虫の知らせ話に加えてくださいね。よろしく。

    みなさまの様々な体験話、よく拝見させていただいています。
    本当に科学では証明できないことが、まだまだいっぱいありますね。
    人間もやはり動物ですね。
    [ニコラス・ケージのファン@mesh]
    世の中、色々な不思議話がありますね。
    でも自然の話ですから、科学で証明する必要性は無いと思っております。

  5. 夏の暑い日、本屋へ行こうと思い歩いていたところ、踏切でひっかかり待っていた。
    すると、踏切の向こうに綺麗な女の人が立っているのに、目がいきました。

    その人は、何か他の人とは違う感じがして何処か寂しそうな女の人でした。
    そんなことを思っているうちに電車が近づいてきて、その踏切を通過したとき何気なしにさっき女の人がいた所に目をやったところ、そこにいたはずなのに一瞬の間にいなくなっていました。
    これはおかしいと思い、踏切を渡って確かめてみましたが、その女の人は見当たりませんでした。
    そのときは人通りも多くなかったので見失うはずもなく、辺りは見とおしも良い場所であった。

    そのあと気味が悪くなり、本屋にも行かず家に帰りました。
    夏の日の、なんとも奇妙な体験でした。
    [Mac user@202033254]
    踏切に一人寂しげに立つ女性。何を思うのか…。

  6. 昔、親不孝な男がいた。
    彼はある日、家の金を持って家を出た。
    それから数十年後、改心した彼は親孝行をするべく両親のいる故郷に帰ってきた。
    両親は、彼を暖かく迎えた。
    その夜、ひそひそ声がするので彼は目を覚ました。
    母親の声がする。「皆殺しにしようか。半殺しにしようか」。
    彼はすっかり驚いてしまい、その夜再び家を飛び出した。

    実はこれ、白米を半分にしようか、それとも全部白米にしようか、と相談していたらしい。
    という話は別にして、夜中のひそひそ話しってすごく恐いですよね?

    実はこれ、私は体験していなかったんですけど、同じ部屋の妹と母親は体験しているんです。
    今から数年前、私と妹は同じ部屋で寝ていました。
    母親は、居間を挟んだところにある部屋で寝ていました。

    ある夜、妹は、まるでお経でも唱えるような一本調子の声で目が覚めました。
    何をしゃべっているのかはわからないけれど、でも確かに男の声で、しかも話していることは常に同じらしいんです。
    もちろん、内容もわからないけれど、でも同じ調子で話しているらしいんです。

    母親も同じ事を言っていたので、「あらそうなんだ」と思っていたんですけど、私の部屋は他にも真夜中に突然ラジオが鳴り出したりしたし、誰もいないのに足音がする変な家です。
    [すーぱーろばー@agrex]
    広い日本の中を探せば、このようなミステリースポットが幾つもあるんですね。一度、訪問してみたいものです。

  7. 私がまだ、小さい時のこと…。
    近所に、とり壊されることになった古い団地がありました。

    その側を車に乗って通り過ぎようとしたとき、向こうから軍服を着た男の人、そして小さな女の子が、こっちに歩いてきました。
    その女の子は男の人に肩車をされていました。
    変わった人達だな、と思いながら見ていました。
    二人の姿はとてもゆっくりで、まるでスローモーションのようでした。

    目で追い、後ろを振り返ると二人の姿が…。
    今ではその団地も無くなり駐車場が出来ていますが、私が見たあの二人の姿は、いったい何処に消えたのでしょうか?
    [足次郎@cird]
    土地に染み付いている親子の思い出かも知れませんね。

  8. こんにちは。3回目の投稿です。
    今回は幽霊とかじゃないんですが、良いでしょうか?
    私の友人が言うには、数々の私の怪談話の中でも特に怖かったらしく、この話はいけるんじゃないかという事になりまして…。

    私が小学校高学年の時の話です。
    毎週楽しみにしてる「8時だよ、全員集合」を見てたんですが、2階で布団をひいている母が「早く。ちょっと!!」と小声で、しかも大慌てで呼ぶんです。
    私はテレビを見たかったので無視してると、「UFOが林に来てるから!!」と言うんです。
    来てるからって言ったって、来るとか来ないとか、そういうものじゃないじゃないですか。

    びっくりして2階の部屋の電気を消して、そーっと見てみると、家の前に昔は雑木林があったのですが、その真上に2つの大きなライトがあって、じーっと空中で止まってるんです。
    高い所じゃなくて、本当に林の木の上に、飛行機らしきものがじーっとしてるんです。
    でも音は何もしませんでした。
    サーチライトみたいなもので林の中を照らしてるのは、はっきりわかりました。
    母と「UFOって感じじゃないけど、飛行機にしては音がしないし、でもこんな民家があるとこに何故?」と話していたんですが、しばらくして家の上空を何回かまわって、どこかへ行ってしまいました。

    それと関係があるか分かりませんが、その日の夕方に林の中を、大人の男の人が何人かで懐中電灯を持って何かを探してたんです。
    その林は子供の遊び場で、大人が入ることはまず無いので、何だろうと隣の家の子と話してたんです。
    もしかして空軍とかで、このへんに何かマズイものでも落としたんじゃ…などと当時は思ってました。
    今では記憶も薄れてしまいましたが、当時は大騒ぎでした。
    テレビとかに応募しちゃおうかと思ったくらいです。
    UFOとは思いませんが、音のしない飛行機っていうのも、かなりハイテクですよね。
    [くろぴん@tpoz]
    最近の出来事なら、パチンコ屋のサーチライトが雲に反射してって、何か思い当たる物が有るのでしょうけど。
    今回の話では静止していたわけですから、何だったのでしょう。怪しげな御一行もいたようですし。

  9. 私がおそらく3歳くらいの頃に体験した、ちょっと不思議なお話です。
    うちは3人家族で、いつも寝る時は一緒に階段を上がって2階に行ってました。
    私は、真っ直ぐな14段の階段を、いつも決まって1番に駆け上がります。
    そして必ず「わたし1ば〜ん、おとうさん2ば〜ん、ママ3ば〜ん」と言うのが日課です。

    あれは夏でした。(記憶の中でお父さんが半袖パジャマだから、そうだと思う)
    いつもの様に「1ば〜ん…」と数えてると、何故か4番目がいるんですよね。
    しかもオジサンで、不思議なのがお父さんと同じパジャマ着てるんです。
    「よんば〜ん…あれ〜?誰?」って母に言うと「さあ、寝ましょう」って、その人のこと無視して(見えてなかったのかな?)部屋に入ってしまいました。
    2階には2部屋しかなく、その人は、私達3人の寝てる部屋の向かいの部屋に入っていったみたいです。
    今、母に聞いても「そんなことなかった」の一点張りです。
    でも、私は本当に覚えてるんですよ。
    ちなみにその家は、随分前に引っ越してしまったのですが、今その家には、結婚して変わった私の苗字と同じ苗字の人が住んでます。
    [くろぴん@tpoz]
    一体誰だったのでしょうか。

  10. 今52歳の母が、まだ高校生の頃の話です。
    母は全くと言っていいほど、幽霊などの存在を信じていませんし認めてません。
    その母が、今でも不思議だという話があります。
    それは、いわゆる「虫の知らせ」というヤツです。

    母が高校生の時、東京の大田区を走っている東急池上線が脱線(だったかな?)する事故があり、乗客の何人かの生命を奪いました。
    その中に、たまたま母の仲良しの友人が乗っていて、運悪く帰らぬ人となってしまいました。
    その友人は、家が貧しく住み込みの下働きをしながら学校に通っていたそうです。

    母が葬式の時、その友人の家を訪ねると、世話をしていたその家の人が母に話したそうです。
    「不思議なものね。あの子、先週の日曜日に急に自分の荷物を整理し始めて、急にどうしたの?って聞いたら『思いついた時に片付けないと、なかなかやらないから』って言ったの。
    隅々まで片付けて、まるでこうなるってわかってたみたいで…」らしき事でした。

    こういうのを虫の知らせって言うのよ、と母は自慢気にいつも話します。
    子供の頃から何度も聞かされ、覚えてしまいました。
    こんな事があったせいか、いつも散らかしっぱなしの私が、急に部屋の片付けなど始めると決まって不安な顔をして「やめなさい」と言います。
    散らかってると怒るし、片付ければ不安になるし…。
    勝手ですよね。
    [くろぴん@tpoz]
    不慮の事故による自分の死期を悟ること。不思議なものです。


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