不思議小話
第27部


  1. 先日、友人の家へ遊びに出かけた時のことです。
    この日は、私の車で出かける予定で、午後2時に友人を迎えに行くことになってました。
    私は多少時間にルーズなところがあり、いつも約束の時間よりも10分程遅れて行くのですが、この日は珍しく予定通りの時刻に友人の家につきました。
    友人はアパートの3階に住んでおり、普段なら私の車が到着するのを待ちかねたように降りて来るのですが、この日は私が珍しく早く来たためか降りて来ませんでした。

    そこで私は階段を昇り、彼の家のドアの前まで行きました。
    しかし、それでも彼はまだ出てきませんでした。
    私は、玄関にあるチャイムを鳴らしましたが、何の反応もありません。
    しばらくして、もう一度鳴らしましたが、やはり何の応答もありませんでした。

    私は、彼が外で車でも磨いているのかと思い、階段の踊り場からアパートの周辺を見回しましたが、そういう様子もありませんでした。
    そして念のため、もう一度チャイムを押しましたが、やはり何の反応もありませんでした。
    出かけてしまったのかとも考えましたが、彼は約束を忘れることなどない律儀な性格をしているので、そんなはずは無いと思いました。
    私は、自分が約束を勘違いしたのかとも考えました。
    彼とは前日にも出かけており、その時にこの日出かける約束をしたのです。
    私は、その時のことを順を追って思いだし、確かに約束したはずだという結論に達したのでした。
    しかし事実、彼は現われないので、仕方無しに私は彼の家を後にしました。

    あたりには、日曜日にも関わらず人気が無く妙に静かで、私は何だかフワフワしたような気味の悪い感覚をおぼえました。
    その帰り道、車を運転していると、公衆電話が目にはいりました。
    その日の出来事に何だか納得のいかなかった私は、公衆電話からもう一度彼の家に連絡をとってみることにしました。
    かけ慣れた彼の番号をダイヤルすると、直ぐに電話がつながりました。
    そして、受話器を取ったのは本人でした。

    私は彼に、家へ呼びに行ったことなどそれまでの事を話しました。
    しかし彼は、ずっと部屋に居たがチャイムの音など一度も聞こえなかったと言うのです。
    狭いアパートの中のことですから、どの部屋にいても音が聞こえないことはないと思うのですが、全く音などしなかったと言います。
    寝ていて気がつかなかったのではないかとも尋ねましたが、寝てもいないと言います。
    とにかく私は、再度彼の家へと向かいました。

    途中、車の中で、今の電話に出た彼は本物だったのだろうかなどという考えが頭の中を巡りました。
    家に到着すると、何事もなかったように本人が現われました。
    私は、彼が私をからかったのかと思い問いただしましたが、そんな様子も無く、真顔で否定するだけでした。
    その後、2,3週間経ってから同じことを聞きましたが、やはりそんなことは無いと言います。
    いったいあれは何だったのか、今だにわからないままです。
    [ウディパァー@b-ocn]
    フワフワした気味の悪い感覚が気になりますね。

  2. 金縛りというのは「体が完全に眠っている状態で脳だけ起きているとなる」と聞いていましタコ。
    ある日の事です。
    神棚のあった(その時はなかったんです)畳の部屋で、あろうことかその神棚のあった方へ足を向けて、お昼寝をしてたんでスルメ。
    目が覚めて、またウトウトしていると、その金縛り状態になったんですよ。

    あー動けーんとか思っていタラバガニ、何かとんでもない力で足の方から神棚のあった方へ、おもいっきり引きずられたんです。
    びっくりして目をつむったままでしたが、神棚の方へ引きずられているというのが分かりました。

    うおーーなんじゃーと思って、一生懸命ウゴウゴしたら解けたので目を開けました。
    すると、寝ていたその場から1mmも動いてはいませんでした。
    なんだったのでしょうね?
    [れんこ@shobi]
    夢と現実のハザマに起きる不思議な体感。痕が残っていれば…。

  3. こんばんは。イタガキと申します。
    今、チャットをしているんですが誰も来ないので、この隙に僕の「虫の知らせ」体験を話します。

    私が中学生のころでした。
    そのころ我が家は父母が共働きで、10,11時にならないと帰ってこない日が続いていました。
    その晩も家では、私、弟、祖母がテレビを見ながら留守番をしていました。
    ちょうど私は、理科の宿題の星の研究(グループ研究)の写真係で、雲がなかったその夜は30分おきくらいに庭へ出て、シャッターを開放にして星の動きを捉える作業を繰り返していました。

    寒い夜でした。9時を15分くらい過ぎたころでしょうか。
    当時の家は勝手口とトイレの裏にあるドアは同じ型のドアで、開けっ放しにしておくと「ドーン」という音とともに閉まったものでした。
    その音が「ドーン」と、居間に響き渡りました。
    施錠を忘れていたと思った私は、弟に「鍵を締めてこいよ」と言いました。

    弟はそそくさと勝手口へ行って戻ってくると「兄ちゃん、閉まってるよ」。
    「じゃあ、裏の方だな」と、私。
    弟は寒そうにしながらも、祖母や、星の観察から戻ってきたばかりの私に気をつかってか、「うん」と言って再び廊下へ向かいました。
    ところが戻ってきた弟は、また「閉まってるよ」と言うのです。
    私は、そんなはずないのにと思いながらも弟が可愛そうになり(その当時の戸締まり当番は弟だった)、「そうか」とたいして気にもせずに済ませました。

    テレビの画面にはドラマ。その時、電話が鳴ったのです。
    私は父か母だと思い受話器をとると、久々に聞く6つ年上の従兄弟の声でした。
    「Tおじさん(母の上から二番目の兄)が、9時18分に亡くなりましたと、お母さんとお父さんが戻ってきたら伝えてね」とのこと。
    その言葉に、その時の私はあまり驚きもせず、恐い気持ちもありませんでした。
    その時は「ドーン」という音と、おじさんの死を結び付けられなかったからです。

    この話には後日談があって、高校生になって恐い話に興味を持ちはじめた私は、この体験を「もしかして…」と考えるようになりました。
    弟とは不思議とこの時の話はせず、高校2年生のとき、母方の祖母が亡くなりました。
    その通夜の席で、うちの父が「今日、会社にネクタイ屋が来たので、普段は見向きもしないのだが、今日は何の気なしに黒いネクタイを買ったら、こんなことになってしまった…」という話をしました。
    祖母は自殺だったので、まったく突然の死でした。

    そうすると、「虫の知らせはある」という話になったため、私は「そういえば、Tおじさんのときは…」と、くだんの話をしたのです。
    はっきり言って、馬鹿にされると思いつつ。
    すると、母のすぐ上の姉が、「あら、そっちにも?」と、同じ日にその叔母の家でも何度も玄関の戸や勝手口の戸が叩かれた話をしてくれたのでした。
    叔母は最初、娘が帰ってきたと思い、戸を開けたりしたそうですが、誰もいないので不審に思っているところへ電話がかかってきたそうです。
    親戚の話だったこともあり、怖さよりは懐かしさを覚えたものですが、虫の知らせはあるんだと、私が思うようになった最初の出来事です。

    さて、父方の祖母は大変信心深い、いい祖母でした。
    去年の夏に亡くなりましたが、この祖母にまつわる話もたくさんあります。
    それはまた後日。失礼しました。
    [イタガキ@ojt2ijoep]
    虫の知らせの話が集まりはじめました。今後ともよろしくお願いします。

  4. 愛知県犬山市の入鹿池の話が、しばらく前に載りましたが、私の会社の上司が体験した話がありますので、それを紹介したいと思います。
    上司(仮にY氏とします)の学生時代、入鹿池に夜中に出没する暴走族グループがいました。
    その中に日頃から気にくわない奴がいて、Y氏も相当の悪ガキだったので奴らを一度からかってやろうと、友人二人を連れ夜中の入鹿池に向かいました。

    そのからかい方は今だから言えるのですが、ちょうどカーブを曲がって直線に入るところの内側の斜面を少し上った所で、二人が白いシーツの両端を持って立ちます。
    彼らがそのカーブを曲がりきった頃合いを見計らってシーツをバタつかせ、もう一人が懐中電灯で照らすというものでした。
    猛スピードでカーブを攻めている彼らの視界に一瞬飛び込んできた正体不明の物体は、とても恐ろしいものに見えたようで、彼らをパニックさせ、次のカーブを曲がりきれずにガードレールに横滑りになって激突し、そして後ろを振り返ることもなく逃げ去っていったそうです。

    これだけなら入鹿池の幽霊は、この人たちの仕業でしたという話になるのですが、この話、オチがあります。
    といっても、作り話ではありません。
    Y氏3人組は、その痛快劇の興奮醒めやらぬまま、しばらくその悪戯を続け、通り過ぎる車を驚かして遊んでいました。
    しばらくして遠くに赤いランプがチカチカしながらこちらに近づいてくるのに気づきました。
    誰かからの通報か、パトカーがやってきたようです。

    彼らは道路から斜面を下に降りた駐車場に車を置いていたので、Y氏は車を隠そうと先頭を切って道路を横切り、斜面を一気に駈け降りていきました。
    ところが駐車場まで下りてみると、途中ではぐれたのか捕まったのか、一人ついてきていません。
    それでも先ず車を隠し、しばらくたってからはぐれた一人を探すため元の場所に戻ってみると、当人が山の上から顔面蒼白となって下りてきたそうです。

    「何で下の駐車場までついて来なかったんだ?」と尋ねると、「下じゃなくって、山の上に向かって逃げたじゃないか!」と言うのです。
    駈け下りていく二人とは別に、彼は斜面を駈け上って行く二人の後ろ姿を、必死に追いかけたのだそうです??
    夜中の暗闇の中なので、二人の影を見失わない様に追いかけた訳ですが、山の頂上まで来て視界が急に開け、石碑か墓石のようなものが一つだけ建っているところに辿り着き、そこで二人の影がフッと消えてしまったのでした。

    ただ二人についていっただけなので何処にいるのかわからず、恐怖におののきながら辺りを彷徨い、ようやく元の場所へ戻ってきたところだったのです。
    三人顔を見合わせ、振り返る事もできず逃げ帰ったのは言うまでもありません。
    [TAMA@ebjlplv]
    危険な悪戯でしたね。別の二人の影とは一体…。

  5. 今から20年前の不思議な体験です。
    私が中学3年生の頃は、つのだじろうさんの漫画「うしろの百太郎」に端を発した心霊ブームによって「コックリさん」が流行していたのです。
    夏休みも終わりに近づいた、暑い昼下がりのことでした。

    その日、私は自宅に友達を呼んで「コックリさん」をしていた時、ふと新学期に学校へ戻す通信簿を何処か置き忘れていることを思い出したのです。
    「よし、コックリさんに聞いてみよう」と思い、尋ねたところ十円玉は数字の7と1を指しました。
    私は「『無い(71)』という意味か。コックリさんでもわからないこともあるんだな」と思い、それ以上聞くのを諦めました。
    やがてコックリさんは終わり、友達も帰っていきました。

    夕方になり西日の橙色に黒の入り混じったような暑い部屋で、私は懲りずに通信簿探しを始めました。
    もう、さんざん探しまくったのだから多分みつからないだろう…、と思いながら。
    ふと、何気なく開けた押し入れの中に表紙の黒いノートを見つけ、何を期待するわけでもなくパラパラっとめくった時、そこに通信簿が挟まっていたのです。

    そして次の瞬間、私は「あっ!」と叫んでしまったのです。
    その通信簿が挟まっていたページには、鉛筆書きのメモで−7月1日××××−と書かれていたのです。
    日付以外に何が書かれていたのかは全く覚えていません。
    夕日の赤黒に染まった私は、ただただ呆然と部屋に立ち尽くすほかなかったのです。
    [てる@jotf]
    茫然自失ってことですね。(^^; 奇妙な偶然の出来事なら良いのですが。

  6. 友達のお話です。
    ある夜、彼女から電話がかかってきて、「会いたいから今すぐ来て欲しい」と言われたそうです。
    彼はバイクを飛ばして彼女のアパートへと向かいました。
    途中、彼女のアパートのすぐ近くにあるパン屋の前を通り過ぎようとした時、その店から彼女が出てくるのを見かけました。
    彼は彼女の名を呼び、彼女はそれに応えて手を振っていたそうです。

    二人で食事をして、それから、彼と彼女は歩道橋の上で、環七を行く車の列を見下ろしていました。
    時刻は午前1時を回っていました。
    流れる車のヘッドライトを見つめながら、彼女が言いました。
    「ジュース買ってくるから、ここにいてね」。
    彼女はそのまま歩道橋を降りて、暗いビルの陰へと消えていきました。
    歩道橋を降りてすぐの所にある自動販売機の前を通り過ぎて…。

    それから20分、彼女は帰ってきません。
    彼は彼女が消えた真っ暗なビルの陰を見つめていて、ハッとある事に気付いたそうです。
    数日前に彼女から、近所のお気に入りのパン屋が潰れたという話を聞いた事。
    そして、彼女は今夜、飲み会があって友達の家に泊めてもらうと話していた事を。

    彼は、今夜彼女と出会った場所へと走りました。
    そこには、ガランとした店内を暗闇の中にかすかに浮かび上がらせた、廃墟のような建物がポツンと建っていました。
    彼女の携帯を鳴らすと、数秒後、聞き慣れた声が受話器に届きました。
    「何やってんの、こんな時間に? 今、どこにいるの?」と…。
    彼女の家の明かりは消えたままで、彼は何が何だか分からないまま、バイクに乗って自分のアパートへと戻ったそうです。

    それで…、その後しばらくして、二人は別れました。
    理由を友達に聞いたら、「あの夜二人で過ごした時間が、すごく楽しかったから」と答えました。
    別れるための口実だったのかもしれない…、とも思うけど、もしホントだったら、かなり複雑な心境なんだろうな、とも思いました。
    ちなみに別れた彼女は、彼にこんな夜があった事を未だに知らないそうです。
    [ROOM@ofd]
    なにか別世界にでも迷い込んでしまったような不思議な話ですね。

  7. 今から20数年前、国鉄の寝台特急「金星」が名古屋、九州間を走っていた頃の不思議な体験です。
    私が大変お世話になった恩人の訃報をうけて、「金星」に飛び乗りました。
    当時、夜9時すぎに名古屋駅発、九州に翌朝到着のダイヤだったと記憶しています。

    四人掛けのボックスは京都で一人、新大阪で二人乗り込み、満席になりました。
    夜の長旅の事とて、お決まりの世間話に花が咲きました。
    ところがどうでしょう、3人のうち2人が私と同じ駅に降りるというではありませんか。
    それは北九州の小倉から支線に乗り換えて秀峰英彦山の麓の小さな駅です。

    その内に突然「○○さんも亡くなって寂しくなりましたね」という話が出てきました。
    その方は何と故人のお母さんで、23年前に亡くなった方だったのです。
    昔の思い出話が小倉に着くまで続き、故人を偲びました。

    名古屋と九州を行き来して30数年になりますが、同じ駅で降りる人と乗り合わせたことは、その時が最初で最後でした。
    それも三人で、しかも故人を偲ぶことが出来ました。
    非常に珍しい体験でした。
    故人の導きがあったのかと、今でも忘れることが出来ません。
    [金の鯱]
    何か心温まる、お話でした。

  8. 全然怖くない話なので興醒めされるかとも思いますが…。
    忘れもしない高校1年生の3月、クラス替えの結果を夢で予知した事があります。
    自分が何組になるかが判った程度ですけど。(^^;

    クラス替えが発表される前に数回見た夢ですが、いずれも起きた時に内容は憶えていないのに、キーワードの如く『2』という数字だけは頭にこびりついていました。
    そしてクラス替え当日、結果はまさかの2年2組になってました。
    私の高校は、いわゆる進路によるクラス編成は3年で行うため、2年の時点では自分が何組になるかの事前予測は不可能なのです。
    どういう根拠で『2』という数字が夢に出たのかは解りません。
    後にも先にも予知夢らしきものは、この時だけですね。

    ただ、予知らしきシロモノは高校生時代に何回か体験しました。
    当時の私には、違う高校に進学した友達がいましたが、利用駅が同じだったので駅近くの本屋で偶然出くわす事も何度かありました。
    そのうち、彼がその本屋に来る日が判るようになっていたんです。
    その日の朝には「来るな」と自然と確信しており、帰りに寄ってみると必ず来ていました。
    高校3年間、百発百中、間違えた事はありません。
    卒業後にこの話をすると、驚いた事に向こうも似たような事が何度かあったとか。
    もっとも私ほどじゃなかった様です。

    あれから10年以上経ちます。
    さすがに彼に関する予知は出来なくなりましたが、今も腐れ縁の友達付き合いは続いてます。
    [風見亜希@jnne]
    ○い糸のような話ですね。

  9. 久しぶりに投稿します。
    私は結婚する前から不思議な体験が多く、ちょっとした旅先や新婚旅行先、もちろん家でも、とにかくところ構わず色んなことがありました。
    これは自論ですが、人には霊的なものに敏感な時期とそうでない時期があるようです。
    具体的には年齢とか、その時の状態(何かスポーツなどに打ち込んでいるとか)によって、特に関係が有りそうなのは結婚ですが…。
    私の場合は思春期と就職時期、結婚の前後が結構霊的なものに敏感な時期だったようです。

    結婚する前の年だったと思いますが、主人の実家大阪に2泊3日で旅行したときのことです。
    車が大好きな私は主人を乗せて、大阪まで上機嫌で車を飛ばしていました。
    かの有名な天王山トンネルに差し掛かった時、それが天王山トンネルだということは知りませんでしたが、えも言われぬ嫌な気分になりました。

    主人の実家に着いたときには、狭い家なので、彼の両親により旅館の予約がしてありました。
    結婚前なので私一人で泊まるように言われて、夜も遅くなった11時ごろ旅館に入りました。
    早速風呂に入っていると、誰かが外から覗いているような気がして、気が気でないので早々に上がりました。
    夜も遅いし、すでに他の部屋は静まり返っているので、私も静かに休むことにしました。

    布団に入るとしばらくして金縛りにかかり、それを振りほどいて起き上がりました。
    金縛りにかかりそうになったら、手足等の体の末端をとにかくバタバタと動かすのです。
    そうすれば100パーセント近く、かからなくてすみます。
    そんなことを5,6回繰り返したでしょうか。

    いい加減疲れて頭にきた私は「もういいや!」と思い、そのまま金縛りにかかりました。
    すると部屋の外から男女数人がざわざわと、話しなどして騒いでいるのが聞こえました。
    部屋の入り口のすりガラスにも、廊下でうごめく数人の人影が見えました。
    私は、「なんだ泊まり客が居たんだ」と思ったのですが、あまりにもうるさかったので何とか金縛りを解いて、旅館の人に文句を言いに行こうと起き上がると、すでに人影は無く話し声も聞こえません。

    そんな事が何度か繰り返され、我慢できなくなって旅館の女将に同じ階の泊まり客がうるさくて寝られないと訴えました。
    しかし女将は、本日は私しか泊まっていないというのです。
    2階建ての各階4,5部屋くらいの小さい旅館です。
    私は「そんなはずはない、現に1時間以上も眠れなくて、いい加減頭に来てるんだ」と訴えましたが、他に人は居ないの一点張りです。
    部屋を見に行ってくれましたが、ほんとに誰も居ませんでした。

    何かやばいかな…と思いましたが、こんな真夜中にどこにも行けないのでまた布団に戻りました。
    が、今度は横になるとすぐに空気が重くなり、部屋の外はまたしても騒がしく、なんと私の体が激しく揺さぶられ始めました。
    さすがに我慢できなくなって旅館を出ることにしました。
    旅館の人にも主人の両親にも、どうやって説明したらいいのか分からなかったのですが、とにかくそこには居られなかったので、眠れないので帰りますと言われて戸惑う旅館の人に十分な説明もせずに、旅館を出ました。

    主人の実家の前で立ち止まり、せっかく用意してくれた旅館を出た理由をどう説明したらいいのか分からず、とりあえず車の中に座って横になりました。
    不思議なことに主人の実家で飼っている15歳になる黒猫が、どこからともなくやって来て私の側を離れませんでした。
    私の顔を見上げて体をすりよせて、ずっと一緒に座っていました。

    朝になって「しどろもどろな説明をするよりは」と思って正直に話しましたが、思ったよりまじめに聞いてくれました。
    ただ、その旅館には昔から変な話はないし、黒猫の『くろ』は家族以外には決して触れさせるどころか近づくことさえもしないのに、と不思議がっていました。
    あー恐かった!!
    [虎猫@gunmanet]
    運転による疲労や旅館など、金縛りにかかりやすい要因が幾つかあったようです。
    でも、騒がしいほどの声が聞こえたという事は…。不思議です。

  10. 2回目の投稿です。
    これは私自身に起きた話ではなく、また、こじつけかも知れませんが妻の親戚が信じている話です。

    私は田舎で育ったので当然、川魚は食べますし、特に鯉のアライなどは大好きですが、妻の親戚筋は絶対に食べません。
    なんでも先祖からの言い伝えで鯉は食べてはいけないのだそうです。
    そのため、食事の際に魚物が入っている場合は必ず種類を確認しますし、鯉が入っている場合は絶対に口にしません。
    勿論、お吸い物などでも同じです。
    ただ理由はわからないそうです。

    あるとき妻の兄の子供を連れてデパートの屋上へ遊びに出かけた時、たまたま鯉の幼魚をお土産に買って帰りました。
    子供も喜んで早速プラスチック水槽に入れて玄関の靴箱の上に設置し、可愛がっていました。

    しばらくたったある日、その子供が何かを飲み込んだらしく、ひどく苦しむので病院へつれて行き、レントゲンを撮ったそうです。
    その結果、胸の食道のところに黒い影があり、医者が吐き出させようとあれこれ処置をしましたが、なかなか取れなかったそうです。
    ところがある瞬間、子供が大きく咳き込んで異物を自力で吐き出し、何事もなかったように平然としていたそうです。

    付き添っていた兄の妻が喜んで、すぐに家に電話をかけました。
    玄関の電話を取った祖母は、その連絡を聴きながら、ふと玄関のたたきの上に横たわっている赤いモノを見つけました。
    それは鯉でした。
    たたきに落ちたため虫の息で、まもなく死んだそうですが、体が濡れており飛び出した直後のようだったそうです。

    不思議なのは水槽には蓋がしてあり、これまで飛び出したことは一度もなく、また不可能としか思えなかったことです。
    このことで妻の親戚は、鯉が身代わりになったのだと信じ切っています。
    単なる偶然なのかも知れませんが、その後私も鯉を食べることに何かしら罪悪感があり口にしていません。
    なにか、日本昔話に出てくる筋書きみたいですが、ほんとの話です。
    [まあちゃん@尼崎市]
    本当に不思議ですね。


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