不思議小話
第50部


  1. 今晩は、今これを書きながら切ない思いでいっぱいです。
    変わった体験なので、心の底から興奮する自分を押さえきれません。

    昨日眠ろうとしていると、突然上からギューッと押さえ付けられるような感覚に襲われ、なんだこれーっと怯えました。
    すると突然強烈な耳鳴りがして、視界が真っ青になったのです。
    なんというか、例えて言うなら以前テレビで見た南極の氷を海中から撮影した物のような感じの青色でした。

    暫くすると耳鳴りが止んできて、視界に風景が見えてきたかと思うと、もうその風景に自分が存在していました。
    あたりはなんというか江戸時代とでも形容できるような風景で、汚い板屋根の家が並んでいて、昔の格好をした人々が往来していました。

    そのうち、髪を結った女の人が私の前にやってきて「やっと帰ったんね?」と言いました。
    私は自然に次の言葉を口にしました、まるで私の意志とは関係ないように「ああ、えらくかかった」と。
    すると女が「もう何処にも行かないんね?」と言い、にっこり微笑みました。
    しかし、私の口から出た言葉は「いや、まだまだこれからだ。も少しまってくれ」
    とたんに女は、顔をくしゃくしゃにして泣きじゃくりました。
    また私は口を開きます「仕方なかろう、こんな男に…」
    というところで、また何か押さえ付けられるような感覚に襲われ、もとの自分の寝床で我に帰りました。

    体験した感覚が余りにも生々しく、感情の動きがまだ自分の心に残っていて、とっても切なくなり同時に孤独感に襲われました。
    女の人の悲しむ様子が痛々しく、ありありと思い出せ、自分のとった態度も必然のもの、仕方ないのだという心の動き…あれは現実の物でした。
    そこで見た人々は、着ているものこそ違えど現代の人間と少しも変わらない感じだった。
    あれが自分の前世なのか、はたしてただの夢なのか。
    はっきりさせる術がないのが、とても残念です。
    [サマナー@oc]
    何かを暗示させる夢だったのでしょうか、それとも…。

  2. ある夏の夜、私は部屋でテレビを見ていました。
    夜の11時頃、CMとCMの合間の一瞬テレビの音声が途切れたとき、バラーンといった感じの何か堅いものが上から落ちてきたような音が聞こえました。
    きっと近所の家で何か倒れたんだと思い、それほど気にもしませんでした。

    しかし、その後の合間にまた同じ音が聞こえ、しかも先ほどよりもはっきりと聞こえたので、今度は窓を開けて隣の家を覗き込みました。
    音の聞こえた方の家はもう休んでいて「もしや泥棒かな」と思い「誰かいるのか!」と声を出しました。
    懐中電灯であたりを調べてみましたが夜なのでわかりにくく、翌日の朝にもう一度調べてみると、普段みかけない手のひらぐらいの石が2個落ちていました。
    その石は形や大きさが違うのにどちらも同じ重さであり、かなり重く感じ普通の石ではないと直感し、そのまま溝に投げ捨ててしまいました。

    その日の夜、横になりながらぼんやりテレビを見ていると、人が苦しんでいるような呻き声がこの前、音がした方角から聞こえてきました。
    今度はテレビをつけていたのに音声が途切れて声が聞こえ、また音声が復活したかと思うと、再び途切れて呻き声が聞こえます。
    気味が悪く布団をかぶって寝てしまいましたが、翌日になって以前に石を投げた事が気になり溝の所に行くと、二つとも溝の中にまだ残っていたので、それを拾い上げ溝の脇に置き直してみました。

    そのとき誰かが背後で「ありがとう」とつぶやき、驚いて振り向くと、ほんの一瞬ですが白いぼやっとしたものが確かに見えてすぐに消えました。
    しかも確かに二人同時にしゃべった、つまりハモった声でした。
    きっとこの石が何か関係していると思い、その日が日曜日だったのでその四つの石を近くの神社に持っていき、訳を話して宮司さんに預けました。

    以来異常な現象は身の回りに起こっていませんが、たまに「ありがとう」という声が聞こえます。それも必ずその神社の近くを通った時に。気のせいではなく。
    [百物語]
    どこから落ちてきた石だったのでしょうか…。

  3. 家から最寄りの駅まで朝晩、歩いて通勤していますが、公営住宅の建ち並ぶエリアに白く塗られた金属製の柵があります。
    小学生あたりが雨上がりにたたんだ雨傘を当てながら歩いて「カララララン」と鳴らして遊びたがるような、あれです。

    いつの頃からか気になりだしたことがあります。
    それは僕が一人でそこを通るとき、たいてい「…コン…」と一回だけ柵が鳴るのです。
    もちろん僕は叩かないし、他には誰も居やしないのですが。

    気になる、というのは僕が「今日は鳴るかしらん」と注意しながら通る時には一度も、本当に一度も鳴らないのに、忘れている時に限って「…コン…」と。
    というか、鳴るときに限って忘れてた事を思い出す、と言った方が正確でしょうか。

    もう1,2年くらい、いや、もっと経つかも知れません。いまだにこの「法則?」は破られていません。
    僕には妹がいるのですが、なんと妹に話してみると「あ、お兄ぃちゃんも気づいてた?あれ不思議だよねぇ!」と言うんですね。

    一人で通りかかるとき、注意していると鳴らないが忘れていると鳴る。誰か他の人が居るときは、絶対鳴らない。
    あ、でも妹と二人で歩いているときには鳴りましたね。そして二人して「あーッ、やられた、忘れてたよ鳴るの」って顔を見合わせて苦笑いするのです。
    [くろねこ=^^=]
    なんとも不思議な音ですね。

  4. 自分でもどう考えていいか分らないことなので、思い出すままに書いてみます。

    友人と電車でスキーに行った帰り、カードゲームのUNOで遊び飽きた頃、僕はカード100枚余を裏にして広げ「表が何か、見ないで当てま〜す」とふざけて適当に一枚引き抜きました。
    友だちはカードと僕の顔を見比べて、どんな冗談をするのかと面白半分に笑っていました。
    僕の想像の中に、緑の2(だったかなと思う)のカードが浮かんで、とっさに「グリーン・ツー!」と高らかに宣言しました。
    もちろん、当たっているはずはないわな、と笑ってごまかすつもりです。
    なのに、友人が「ほっほー」と感心しているではないですか。見ると確かに緑の2です。

    ははぁ偶然というのはあるものだわいと思って「では続けて行きます」と、すぐ2枚目を取って、再び浮かんだ映像をそのまま「赤のDRAW TWOで〜す」と言いました。
    友人の表情が心もちひきつってます。「どうやったの?」そう、2回目も当たっていたんですね。
    ここで僕自身が気味悪くなりました。

    そこで意識しちゃったのがいけなかったのでしょうね、3回目以降はどうやったって当たりませんでした。
    思い付く映像も何枚ものカードが瞬時に浮かんでくるから特定できません。
    偶然だよ、偶然。でも、ちょーのーりょくだったりして〜、と笑ってごまかしてますが、本人いたって信じてしまっています。
    だって、くっきりとカードの映像が浮かんできた事実は僕だけが知っていることなんですから。

    ちなみにその後、機会がある毎に試していますが、残念ながら失敗です。
    どうしても意識してしまって、いくつもの候補を思い浮かべてしまうのです。 一度だけ、宝くじのナンバーズ3でストレートを当てましたけど、ははは、これは絶対偶然ですね〜。
    [くろねこ=^^=]
    無欲になれば当るのかな(^^;

  5. 歯が抜ける夢を見ると身近に不幸がある、などと言いますが、僕の母がある朝「昨夜ヘンな夢見たヨー」と語るには、寝ていると口の中に飴玉のかけらのようなものがあることに気づいたというのです。
    それはどんどん増えていって、口の中がジャラジャラいう状態になってしまい「あ…これは私の歯だ、歯が全部抜けてしまったんだ」と思ったそうです。
    寝ぼけていますから「困ったナー、歯が全部抜けたらご飯食べられないじゃん」とのんきなことを思っているうちに目が覚めて、夢だったと分ったのだそう。

    その日のうちに、遠くに住んでいる親戚が一人亡くなったという電話があり「本当にそういうことあるんだね」と言ってました。
    そしてある朝、母はまた同じような歯が抜ける夢を見たというのです。
    「また誰か亡くなった、なんて電話きたらどうしよう」とうろたえていたら果たして、その日のうちに訃報が舞い込んだのでした。
    今では冗談半分に「私は霊感少女」なんて言ってますが、3度目が来ないことを祈っているに違いありません。
    [くろねこ=^^=]
    そう祈りたいですね。

  6. 私の母の体験です。母は昔、雑貨屋をやっていまして、フィルム現像の取り次ぎもしていました。
    そこへあるフィルムを持ってきた近所のおばさんの話です。

    私は夕べ変な夢を見た。氏神さんの**神社へ行って、あちこち写真を撮りまくっている。
    目が覚めた私は引っ張られるように、カメラを持ってその神社に行ってみた。
    鳥居をくぐった瞬間、金縛りのようになって動けなくなった。
    カメラを抱えたまま固まっていると、レンズのフタが付いたまま自動的にどんどんシャッターがおりて、フイルムは巻き取られていった。
    何も写ってないとは思うけど。こんなことを言って、おばさんは母にフィルムを渡してゆきました。

    数日後写真ができてきました。おばさんと母は一緒に見たそうです。
    この神社には祠がいくつもありました。それぞれにいろいろな神様が祭られていたようです。
    ある祠は中が真っ暗だったり、ある祠の横にはある神様の姿が写っていたりと、実に不思議な写真ばかりだったのです。
    そして本殿には怒り狂う竜神の姿がはっきりと写っていたそうです。
    この話を私にする母の顔は真っ青でした。

    おばさんがその写真を神社に持っていったところ、神主さんは、ああなるほどという顔をしたそうです。
    この神主さんは新しく来られたばかりの方で、毎朝の御勤めの際に、目を閉じると怒り狂って火を吹く竜神が見えて、怖くてどうしようもなかったそうです。
    この神社は比較的位の高い神社だったそうで、昔はお堀がありました。
    私が子供の頃に埋め立てられたのですが、それがとてもいけなかったらしいのです。
    前任の神主さんはあまり熱心ではない方だったようで、いろいろルーズだったそうです。
    新しい神主さんは写真を見れば何がどういけないかすぐ解かり、早速仕事に取り掛かられたようです。

    その後ずいぶんと明るくさわやかな神社になりました。
    子供の頃は暗くてじめじめして、なんとなく嫌いだったのです。
    母はこのことがあってから、確か100日間、毎朝お参りに通いました。
    やがて、今日は白い鳩がいっぱい降りてきて歩きにくかったとか、白い子犬が足にまとわりついてきたとか、言うようになったのです。
    ある朝、母より少し後に神社に行ってみました。鳩なんて一羽もいません。
    母はそんなはずはないと言い、私に信仰心が無いからだと言いました。

    生まれたときからお世話になっている、私は氏子です。母もそうです。
    氏神は大切にするもんだと思います。でも神様と私たちのこういう関係は減りましたね。
    [ねむ@at]
    白い動物たち。何だったのでしょう…。

  7. 私の近所の電車運転士の話によると、飛び込み自殺ほど怖いものはないらしいです。
    特急や急行で駅を通過するときに自分の真正面に飛び込んでくる人を、何ヶ月も絶対に忘れることが出来ないそうです。
    大変なお仕事だなと思ってしまいます。

    そして、その後の運転中に、死亡現場付近で必ずよく似た人間が線路の脇を歩いている、又は立っているのを目撃するらしいです。
    それは決まってその時の当事者(運転士)だけが見るそうです。
    現場が駅の時は、その駅を通過するときにプラットフォームに立っている事がよくあるとの事。
    それがなぜか猛スピードで通過するのに分かるらしいです。睨まれているのがはっきりと。
    [百物語]

  8. はじめまして。イマイチ実感が湧かないのですが、私の不思議な体験を少し…。

    中学3年の時、怖い話や幽霊などに興味を持ちつつも、実体験の無さからそうした話に半信半疑の私でした。
    その頃、私は自宅の2階に一人部屋をもらい、そこで寝起きしていました。
    ある日曜日の早朝、いきなり金縛りというものを経験しました。

    「何だ?」と一瞬うろたえましたが、そこは興味だけ先走りしていた頃なので、あぁ、これが金縛りなのか…と、貴重な経験をしたものだくらいにしか感じませんでした。
    こういう時って大抵は何か重いものが乗っかって来たり、首を絞められたりするんだよなぁなどと冷静に分析などしていると、来たんです!
    仰向けのまま身体の自由が利かなくなっている状態の私の視界に不意に現れたのは、天井にもやもやと淡い?霧のようなもの。

    そしてその霧の中で幼い女の子が座り込んで何か、かき集めているんです。
    ちょうど砂場で山を作るようにひたすら。昔のアニメのちびまるこちゃんの様な服装のおかっぱの少女が。
    恐怖心は感じませんでした。
    ほどなく女の子や霧も消え、同時に身体も自由になりました。
    あの女の子は? 何故、俺の部屋に? ひょっとしたら寝ぼけていたのか?
    それにしてはリアルでしたが…。

    数日後、再び金縛りを経験するのですが前回の様に冷静になっている場合じゃありませんでした。
    今度は声が聞こえてきたからです。「あそぼ」って感じで。
    うかつに返事したらヤバイなと思い、目をつぶり押し黙っていました。
    子供の声は笑い声になり「うふふ」「きゃはは」とまるで私が寝ている周りをぐるぐるまわるように。
    ドンと、何かが私の上に乗っかってきたのも感じました。もうパニック状態です。

    声も複数になり、女の子だけでなく男の子の声も混ざっているようでした。
    客観的に見れば寝ている私の周りで子供たちが遊んでいたかのようでしょう。実際に見えるかどうかは別として。

    この頃、急激に不思議体験をするのですが感受性の強い年頃だったからか?
    そうした事もめっきり起きなくなった最近では、また、半信半疑の状態に戻ってしまいました。
    それにしてもあの子供たちって…。
    [ONE@]
    大人になると、何事も鈍感になってしまいますね(^^;

  9. 不思議小話の名古屋の会社員さんと同じような経験(「偶然にしては多すぎるでしょ」という話)をしました。
    読んでいて、あ、あれはもしかしたら夢ではなく、現実だったのかも…と思ったので書き込みます。

    私はその当時(今から14年前)小学3年生でした。
    私の場合は、一週間程度しか続きませんでしたが、やはり、大体特定の時間に目がパッと覚めるのです。
    そうすると、真夏の暑い寝苦しい夜のはずなのに、すごく寒気がしてきて、救急車のサイレンが聞こえてくるのです。
    そして、音が止まったかと思うと私の家の前で止まっていて、赤いランプのチカチカがクルクルとまわって、ガラス窓に映っているのです。

    うちのガラスは磨りガラスだったので、はっきりと救急車が見えているわけではないのですが、音もしたくらいだから救急車なのでしょうか。
    うちの前には大きな道路がありました。
    だから、工事中のランプかなとも思いましたが、工事中なら日中も資材が置いてあったり看板があったり、あるいは、手を加えた工事のあとなどがあるはずですよね?
    なのに、そういったものはないんです。

    それに、うちの前は道路といっても、私の寝ていた部屋は、人ひとり通れるかどうかの細い小路に面した所で、道路の状況が見えないし車など通れない所なのです。
    赤いランプの見え方は、どう考えても、小路に入り込んだその窓のとこで何かやったのでなければ、見えないのです。
    親に工事中かな、と聞いてみても、そんな話は聞いてないと言われました。救急車にしても、うちの周りには人家がないのです。

    その前にも、何度か夜中に目が覚めると必ず、真夏なのに寒気を催したことがありました。
    なにか、そういった不思議な現象のある日と無い日を比べると、一つありました。

    家族でドライブに行ったときに、両親から買ってもらったコアラのぬいぐるみを、枕元に置いて寝た日だけは何事も起こっていなかったことに気づいたのです。
    他のぬいぐるみではダメなのです。それからしばらくは、枕元にコアラを置いて寝るようになりました。
    そうしたら、不思議な現象は止まりました。
    ぬいぐるみに、依存していただけなのかもしれませんが、とりあえず、名古屋の会社員さんの投稿に似ていたので、私も投稿しました。
    [める@bga2cj]
    安眠不眠というよりも、寒気を感じていたということは…。

  10. うちの職場に機械を洗う流し台があるんですが、その前にどうも「居る」らしいのです。
    見えた人によると「黒っぽいモノしか見えないけど、どうも男の人らしい」とのこと。
    その「黒っぽい人」は何をするでもなく、ただじっとその場所に居るのだそうです。

    私も一生懸命、目を凝らして「居る」場所を見てみましたが、全然見えませんでした。
    でも見えたら見えたで仕事どころじゃなくなるんでしょうね。
    [綾小路ささめ@]
    社内でヒソヒソと噂が囁かれていませんか?


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