学校の七不思議
第14章


  1. 僕の話もご多分に漏れずトイレ絡みなのです。
    今から20年以上前になるのですが、僕の通っていた小学校は新興住宅地に建っており、かつては分校だった学校が人口の流入によって肥大化したのでした。
    その為、周囲はまだ畑や古い家屋、その地域の土着的なお社やお墓が点在しており、そういった田園的な風景に近代的な建物がでーんと建っている風情だったのです。

    そんな学校北側の新校舎のある一角には、小高い山の陰となって昼間でも陽の入らない薄暗い場所があり、そこにあるトイレは薄気味悪い所でした。
    しかし、うんこが我慢できない子なんかは人が近寄らないために怖いのを我慢して用を足しにくる程度で、人のあまり近寄らない場所でした。
    そこから出て廊下のガラス越しに外を見ると、その山のてっぺんにある半分壊れた小さな神社へ続く長さ7,80mくらいの細道が真正面に見えました。

    僕は小学4年生くらいの時に、そのトイレの掃除当番に当たったことがあり、その時のことです。
    冬のある日掃除を終え、校庭で友達とサッカーをして遊び、帰る段になって掃除の際にトイレの棚に忘れ物をしたことに気づいたのです。
    僕は大変な怖がりで、友達数人に頼んで一緒に行ってもらったのですが、中の一人が意地悪な奴で、他の奴らに目配せして途中で一斉に駆け戻ってしまったのです。

    それでも忘れ物を取りに行かなければという気持ちだけが妙に先に立ち、半ベソをかきながら殆ど真っ暗な校舎を進んでトイレから無事忘れ物を取りました。
    廊下に出た時に例の山のてっぺんから真っ直ぐ自分の方に向かって、真っ白い着物を着た女の人が半裸になりながら、ものすごい形相でこちらに駆け下りてくるのが見えたんです。
    雪は降っていないとはいえ、寒い時期に裸足で薄い着物一枚で…。
    その人は目の回りをどす黒くして白目をむき、紫の唇をしていました。
    真っ黒い髪の毛はザンバラで頭の所々が禿げているようにも見えました。

    そして窓のところに近づき、金縛りにあったように立ちつくす僕の目の前にくると、窓ガラスにへばり付きながら薄笑いを浮かべ、うごめく黒い固まりを窓越しに差し延べたのです…。

    その夜、帰ってこない僕を心配した母が僕を捜しに奔走したそうです。
    学校には一番に連絡し先生方が学校中くまなく探してくださったそうですが、その時は失神していたはずの僕を捜すことが出来ず、見つかったのは夜更け過ぎだったそうです。
    後に大人になった僕は、今はすっかり家々や大きな建物が建ち並び、人通りも多く夜でも煌々と街灯に照らされているようになったその土地について、図書館で調べてみたことがあります。

    多くを語ることは出来ませんが、その地域は、かつて閉鎖的で暗い信仰を持ち、厳然たる家父長制に代表される男尊女卑が支配していたようです。
    女性は物のように扱われ、強姦や望まない交わりによって妊娠した者は虐待を受け、中には殺されたり発狂したりした者も居たようです。
    僕が見たあの女性は、この世に望まれず自分が産み落とした我が子を、きっと誰かに認めてもらいたかったのだと思います。

    その後、学校を訪れた際、あの小山は切り崩され神社も当然なくなっていましたが、大人になった僕はあの親子を恐怖の目ではなく、慈愛の目で見つめることが出来ると思います。
    [内藤竿人@i]
    過去の歴史を紐解くと、闇の部分が…。

  2. 私の母校、埼玉県D大学の話です。
    在学当時、創立25年だったので比較的新しい大学なのですが、2号棟と呼ばれる校舎のトイレは不思議でした。

    洗面台の鏡が異常に高い位置に取り付けてあって、160cmの私でもおでこしか映らないのです。
    しかも以前は普通の位置にあった痕が有り、「数年前に自殺した学生が映るというので付け替えた」と先輩たちは言っていましたが…。
    とても広いトイレで、ずらりと並んで背伸びしながら化粧直しをする光景はなかなか面白かったです。
    [Helen@m]
    なんともいえない光景ですね。

  3. 最近、自分の通っていた小学校が取り壊されているのを見て、あることを思い出したのでお便りしました。
    私が通っていた小学校にも、どこにもありがちな七不思議がありました。
    どれも信憑性に欠け、みんな信じていなかったのですが、私は今でも一つだけは信じているものがあります。

    小学5年生の夏、私はソフトボールの練習で遅くまで残っていました。
    練習が終わり、夏とはいえ、日もとっぷりと暮れていました。
    友達と三人で帰ろうとした時、一人が「なぁ! 夜の学校ば探険してみらん?」と提案すると、悪ガキだった私たちは「どうせなら七不思議ば試してみろう!」となり、夜の校舎に忍び込みました。

    うちの学校は当時から古く、防犯設備など全くありませんでしたので簡単に侵入できました。
    六つ目まで終わり、初めは怖がっていた私たちも「やっぱ何も起こらんやん」などとすっかりリラックスしていました。
    そこで最後の場所、体育館へ向かったのです。

    七不思議の内容は「誰もいない体育館のピアノから音がする」というものでした。
    当然、体育館には鍵がかかっていましたが、子供一人が入れるほどの抜け道を使って中へと入っていきました。
    三人が入ってそのピアノに備え付けてあるイスに近づいた瞬間、「ジャーーーン!!!」とピアノの音が鳴りました。
    もちろん誰もいないし、ピアノはカバーをかけたままでした。
    私たちは半狂乱で逃げ帰り、その後のことは覚えていません。

    よっぽど恐かったのでしょうか…、つい最近までその記憶が封印されていました。
    でもそんな事件があった体育館も取り壊され、もう思い出でしか残らないのかと思うと少し寂しくなります。
    [tr2]
    誰もいない校舎。火災報知器の赤ランプに、ぼんやり照らされた廊下が気味悪かったのを思い出します。

  4. こんにちは、初めてこのHP読ませて頂きました。皆さん色々な経験されているんですね。
    私は霊感って物が無いので、あまりその手の経験は無いのですが…。数少ない体験談を書かせて頂きます。

    あれは私がまだ中学生だった時の話です。私の中学は埼玉県S市にある公立中学です。
    まぁ、どこの学校にも同じような話はあるかと思うのですが、ウチの中学にも「第一音楽室の窓の外におさげの女の子が(しかも上半身のみ)現れる」とか「1F男子トイレには霊がいる」等という話が噂されていました。
    ある日の夕方、部活動の帰りにトイレによろうと友達と一緒に新校舎の1Fトイレに行きました。
    友達にはトイレの外、廊下で待っていてもらう事にして私は中へ。
    夕方とはいえ、その時は夏。昼間のように明るい状態だったので全く恐いという気持ちはありませんでした。

    そのトイレには6つほど個室があり、奥から3番目のトイレに入りドアを閉めようとした時に、水を流す音と扉の隙間から水色のジャージの足の部分が見えました。
    「あぁ、誰か入ってたんだなぁ(うちの学校はジャージは紺)。他校の子が練習試合とかに来てたのかな?」くらいに考えていたんです。
    用もすませ、トイレから出て何気なく待っていた友達に「私が入った後に水色のジャージの子、出てきたよね。どこの学校かなぁ」と声をかけたんです。
    すると「え? うぅん、誰も出てこなかったよ? ○×ちゃん(私の本名)だけでしょ?入ってたの」との返事が…。

    そうなんです。よく考えてみると、私が入った時にざっとトイレを見回した時にはどの扉も開いており、夏休みでもないのに練習試合などに他校生が来る予定などあるわけないんです。
    極めつけには…私の見た足、向こう側が透けてみえていたんです。
    掃除用具の入っているロッカーがたしかに見えていたんです。
    どうやら私はこの世のものでは無いモノを見てしまったらしく、以後そのトイレには入らないようになりました…。

    学校というものはそういうモノが集まりやすいと聞いた事がありますが、やはり恐いものですね…。
    [岩見妃美子@mt]
    よくよく考えてみると…、という時が一番怖いですね。

  5. 高校の頃、僕の友達がある男から聞いた話を話してくれたものです。

    小学生の頃、その男は学校で評判の悪ガキで、悪友二人とつるんではいつも周囲を困らせていたようです。
    ある日、悪戯がばれた三人は、先生から居残りの草むしりを命じられました。
    しかし不真面目な彼等が、きちんと草むしりなんてするはずありません。草も生えていない場所を適当に掘っては、漫然と時間を過ごしていたのです。

    「おい、なんだこりゃ?」
    その時一人が、自分が掘った穴の中に何か埋まっているのを見つけました。
    細くしなやかな黒い束。それは人間の、それも女性の黒髪のように見えました。
    普通の奴ならその時点で不気味に思うものですが、好奇心旺盛な悪ガキ共は面白がって、それを引っ張ってみました。

    引っ張ってみるとそれは、ずるずるっと土の中から出てきます。
    手に触れた感触は、確かに人の髪の毛のようであったといいます。
    ところがその黒髪は、引っ張れば引っ張るほど、どんどん地面から出てくるのです。
    ついにはそれは大人の身長を超え、ありえないほどの長さになりました。
    それでも髪は途切れることはありません。
    地を覆う黒髪の上にへたり込み、三人は泣き出してしまいました。

    子供の手に余ると感じた彼等は、先生を呼んできました。
    先生は一目見て青ざめ、とにかく元通り戻すように命じました。
    三人は、べそをかきながらも言われた通りにそれを埋め戻しました。
    そしてその土の上で「ごめんなさい。もうしません。ごめんなさい…」と、一生懸命に手を合わせたそうです。

    この話をした男は、同じ高校で僕も知っていた「ワル」でした。
    その不良の男が「あんな恐ろしい思いは他にしたことがない」と、鳥肌が立った腕を見せながら語ってくれた話だ、と僕の友達は言っていました。
    [Q-T]
    先生は、そのモノについて何か知っていたのでしょうか…。

  6. 霊感が全くなかった自分が「もしや目覚めた?」と気づいた出来事。

    中学生の時のある放課後、被服室で作業をしている友達を待っていました。
    そろそろ帰ろうという時、私だけが鞄を教室に置いていたので一人で取りに行くことになりました。
    被服室と教室は別棟になっています。

    被服室・調理室・工作室が並んであり、三つとも前後の入口の扉の上半分がガラス窓で、そこから中を覗くことが出来ます。
    被服室から出て隣の調理室を通るときに何気なくそちらを見ると、そこには「兵隊さん(らしき服を着た男の人)」が立っていました。

    彼の後ろの壁では、ごく普通の四角い壁掛け時計が4時40分頃をさしています。
    夕日の色が射し込むはずなのに、そこだけは黄色がかったセピア色で妙に「音を感じない」雰囲気を漂わせていました。

    別段怖いとも違和感も感じなかったので、そのまま教室へ荷物を取りに行きました。
    帰りがけに覗くと、そこはいつもと変わらない調理室で、もちろん鍵も掛かっていました。
    それを話すと友人達は怖がってしまい結局その日はそのまま帰りました。

    後日もう一度覗きに行くと壁にあったはずの時計がありません。
    ?と思い探すとあったのですが、それは彼が立っていたのとは逆側の壁で、しかも丸い時計でした。
    友人に聞いても「前からそうだった」らしいのです。
    よく考えれば放課後5時過ぎていたのにあの時間もおかしかったのですが…。

    父方の祖父が戦争で亡くなったと聞いたことがあるので「もしや?」とは思ったのですが、確認はできずじまいです。
    ただ、とても穏やかで綺麗な情景でした。なお、この校舎は数ヶ月後に取り壊され今はありません。
    [わかさく@j]
    なにか、匂いませんでしたか?

  7. 学校の七不思議に掲載されている、
    『授業中に女の子が廊下を歩いて〜教室の前を通り過ぎて行きます。みんな、前のドアの窓からその女の子の姿を見たのに、後ろのドアの窓にはいつまでたっても姿が映りません。
    前と後ろのドアまでの、すりガラスには確かに影が映っていたのに。〜』の話と同じ体験をしたことがあります。

    10年も経っていない新設校で、その当時亡くなった生徒もいないとのこと。
    ちゃんと目も覚めていたし、緑色のブレザーを見間違えるとも思えず「?」な気分でした。
    [わかさく@j]
    真っ昼間の出来事ですからね…。


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