リスクに関する個人的見解(2)


企業経営者の方へ。 「ほけん」をフルに活用してください!

「保険なんてお守りだから中身はともかくかかってりゃいい。」そういう声を時折聞きます。でも保険証券は神仏の御札ではありません。いざという時、本当に貴社をお守りできないのでは、かかっていることにならないのです。以下は保険付保の権限をお持ちの企業経営者の方に聞いて頂きたい mon-ami のおせっかいです。

 

1.どこへかけても保険は同じ? 違うと思います。

損保業界には今、料率自由化の波が押し寄せていて、いよいよ「価格競争の時代に突入した」とも言われています。では「横並び料率」だった今までは本当にどこにかけても一緒だったのでしょうか?私は違うと思っています。
今後の自由化の中で生じる価格差以上に、代理店・保険会社から得られるサービスには格差があります。

料率改定や規定改定あるいは新商品発売の時、そのポイントが何で貴社にとってどんなメリット(デメリット)があるのか、貴社の取引会社・代理店はいち早く知らせに来ますか?

保険料や料率・規定の根拠をきちんと説明していますか?
保険料にはすべて根拠があります。更改契約の保険料が昨年と違うなら、何か理由があるはずです。事故が増えた(どれだけ増えたのか?)、料率や規定の改定があった(いつ、どんな風に?)、加入者が増えたせいで割引ランクが変わった(どう変った?)など、納得のいく説明ができなくてはなりません。

貴社のことをどれだけ知っていますか?
人、組織、施設、事業内容、決算状況、製品フロー、業界動向・・・極端な話、貴社社員の方よりも詳しい位でないと、適切なリスクマネージメントはできないのです。ですから貴社の取引会社・代理店が「うちのことを何でも知っている」、「うちのことを何でも聞きに来る」位なら安心です。保険会社は秘密を漏らしたりしませんから どうぞ何でも教えてあげてください。
そのような会社・代理店の提案書や見積、実調メモは正に貴社へ向けてのみ作られているはずです。貴社の事情を反映していない、「出来合いの」お勧めしかしない先はどうでしょう?

代理店だけでなく保険会社の担当者も顔を出しますか?
レベルの高い代理店を選ぶことは勿論ですが、代理店と引受保険会社のパートナーシップも見逃せないポイントです。保険会社の社員(おそらく営業○課とか○○支社といった名刺を持った)が、顔を忘れない程度に同行して来て、コンビネーションよろしく貴社に提案する、たまに社員に直接コンタクトを取ってもコミュニケーション良く対応してくれる・・・・そんな風なら会社・代理店が一体となって貴社をサポートしている理想的な状況と言えるでしょう。
但し、毎回代理店と一緒に保険会社社員が来て、殆どの説明・業務を社員がしていくというのは「代理店の業務能力面で問題あり」です。

事業承継リスクや環境リスクにも提案がありますか?
急速な自由化の中でレベルの高い代理店であれば損害保険だけでなく生命保険やファイナンシャルプランニングにも十分な認識を持っているはずです。貴社がオーナー企業であれば「事業承継(相続)リスク」は見逃してはなりませんし、「環境問題」や「ネットワークセキュリティー」「新しい労務管理の在り方」など新しい問題が今、次々とクローズアップされています。それらに「気づき」を提供してくれる、そんな保険会社・代理店を選んでください。

 

2.貴社の運命を保険会社に握らせないで。(告知義務について)

保険には「告知義務」という規定が必ずあります。例えば火災保険の場合、対象の事業所が「直火を使うか」、「危険品を使うか」といった事項を正しく申告することもこれに当たり、加入者が違反すると、保険会社は保険金支払を拒否できることが約款で定められています。

しかしながら、もしかしたら貴社に対して「馬鹿正直に告知したら保険料が高くなりますよ。事故が起きた時に訂正すれば大丈夫」といったとんでもない(^^;)アドバイスがされているかも知れません。

ちょっと待った!このアドバイスはお勧めできません。「契約データを保険始期に遡り訂正して保険金を支払う」そんなことも現実にはあるかも知れません。損害が少額であれば、また貴社が取引保険会社にとって上得意ならなおさらです。でも、それはラッキーに過ぎません。
貴社の工場が全焼して、3億、5億の損害が出たら、保険会社は身を翻して「約款通りの運用をさせていただきます。」と言ってくるかもしれません。その時になって保険料の差額を払うと申し出ても、まず受け付けないでしょう。

やはり現実はありのままに告知・通知して、その上で少しでも保険料の安い先、 補償範囲の広い先、サービスの良い先を選ぶ・・・・それが王道でしょう。
貴社の運命を保険会社に握らせないでください。


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