それなりの工夫

10.木工を始めるときの工夫

1.はじめに

 木工を始めて、物作りに夢中になると、道具をいろいろ買い揃えていきます。ときには、いらないものまで「必要なんだ!」と自分に言い聞かせ、購入に走ります。そして、物欲、購買欲を満たします。結局、あまり使わない道具が次々に増えていきます。木材も、安いから、節が少ないから、何かに使えそうだからと、買い置きが増えていきます。塗料も、あれも使いたい、これも使いたい、、これはまだ使ったことがない等で、次第に膨れ上がっていきます。木工にはまって、半年あまり経ちますが、こんな道をとおってきました。部屋、車など、あらゆるところに道具や治具、材料が開きスペースをすべて占領しています。

 木工を始めたころは考えもしませんでしたが、今のわたしの木工は青空木工です。晴れた日に、道具を2階の部屋から運び出し、終わるとまた部屋に戻すという木工スタイルです。最近、ボール盤やバンドソー、テーブルソーなど重量級の道具が欲しくてたまりません。ボール盤は¥5000で購入できます。私の小遣いで購入できる範囲です。垂直に穴あけするには必需品です。だから欲しい。でも、ここで問題なのは、わたしの木工スタイルと合わないことに気が付きました。ボール盤は便利です。正確な加工もできます。しかし、あれだけの重量の物をどうして出し入れするのか。わたしの木工スタイルとあいません。青空木工でさえ、いろいろ支障が出ています。今、振り返ると、みかん箱1つ程度に納まるささやかな道具を使い、雨でも部屋でできる木工が私の生活には合った木工スタイルでした。

 そこで、今、私の生活に合った理想の木工、名づけてみかん箱木工を考えてみます。まず、使用する材料は、2By4や1By4等とベニヤ、パイン集成材です。作成するものをJWW−CADで設計し、必要な木材のみを購入する。決して、買い置きはしない。あまった木材は速やかに使い切って備蓄しない。道具類は、接合は木工ボンドと木ねじのダボ埋めと割り切り、みかん箱1つに収まるようにする。塗料も少量のものを買い、使い切ってから新しいものを購入する。切れ端、治具塗装関係でみかん箱1つ。みかん箱2つですべてが収まる木工スタイルが私の生活に合っていると思います。

2.みかん箱木工の道具

切る道具 ○替え刃式のこぎり ゼットソー 
 替え刃式ののこぎりでセットソー265がいいでしょう。いろいろなサイトでも紹介されています。一見同じような替え刃式のこぎりも安く売られています。私も同じだろうと安物の替え刃式ののこぎりを買いました。今では後悔しています。機能に不満はありません。よく切れます。でも、満足感が得られません。それほど高いものではありませんので、ぜひブランド品のゼットソーの購入を勧めます。

○ジグソー
 まず、安物のジグソーは避けたほうが無難かも知れません。私が始めて買ったジグソーは、安物のジグソーでした。ホームセンターで「おっ、ジグソー、安いじゃん!」で購入しました。ばたばたと大きな音を発て、思うように切れませんでしたが、こんなものかと思っていました。しかし、経験を重ねていくうち、というより、いろいろなHCに何回も通ううちに、自分のジグソーのブレードをつかんでいる棒が、ぐらぐらしています。HCで見た高級品は、ぐらつきがありませんでした。道理で、スイッチを入れるとブレードが左右に振れているわけです。これでは、まっすぐ切れるわけも、切れ味がいいわけもありません。そこで、現品限りで安く売られていた某有名メーカーのジグソーを購入しました。左右のブレがないことを指で押して確認しての購入でした。果たして、あたりでした。ジグソーのスイッチを入れても、ブレードは左右に振れません。切れ味も前に比べればぐっとよく、騒音も少し静かになりました。

 とりあえずは、ジグソーが切る道具の電動機器のメインとして、木工を楽しまれるのが一番だと思います。
削る道具 ○カンナ
 カンナは、刃を研がないと使えません。したがって、砥石も必要です。中砥ひとつそろえましょう。カンナを使いこなすには技術が必要です。でも、荒板をカンナで削って平面を出すなどの高い技術でなく、簡単な治具を使い、簡単な加工用にぜひ必要です。具体的には、手のこで少し長めに切った木口を最終寸法までの寸法調整に使います。安物でもいいと思います。研ぐ技術が身につくまでは、安物カンナで練習に励みましょう。私も、今も、安物カンナを使っています。

○サンドペーパー
 絶対必要と、いまさらいうことはないですね。60,120、240番を最低そろえましょう。セットで売られているもので当面は十分でしょう。さらに、400番〜1000番の耐水ペーパーが必要です。塗装の時に使います。サンドペーバーブロックやホルダー必要ですが、木材の切れ端にホッチキスで留めれば、あえて購入の必要はないでしょう。

○ヤスリ
 切り口をきれいにするために必要です。バリとりに威力を発揮します。100均で売られている鉄鋼用の平ヤスリが1本あれば手軽に使えて便利です。
 
穴あけ道具 ○電動ドリル&ドライバー
 充電式の電気ドリル&ドライバーがありますが、安物は電圧が低いのでお勧めしません。また、高価なものでもバッテリーが切れると使えませんので、これもお勧めしません。100Vの電動ドリル&ドライバーがお勧めです。100Vなら、電圧の問題もバッテリーの問題もありません。もちろん、クラッチ付のものをセレクトしてください。ドリルとして使うとき、ドライバーとして使うとき、クラッチをうまく使い分けます。

 また、ドリルやドライバーをつける反対側がドリルやドライバーに対して垂直(つまり、ドリルやドライバーを垂直にしたとき、水平になる)になっている機種が理想です。ここに水準器をつけてドライバーの垂直を確認するのに使えます。

 ドリルの刃は、最初は、セット物で、10mmまで0.5mm間隔でそろっているものがいいと思います。木工用のドリルもありますが、0.5mm間隔ですべてそろっているセット物はまだ見たことがありません。したがって、とりあえず、鉄鋼用で0.5mm間隔ですべててそろっているものをお勧めします。

 センターポンチは、精密な穴あけの必需品です。穴の位置を確定し、ドリル刃が逃げないようにします。鉛筆で位置をマークして、ドリルで穴あけを何回かすれば、ドリルの刃が目的の位置からずれてしまうことを経験すると思います。
 
測る道具 ○コンベックススケール
 いつも作業用の前掛けのポケットの中にいれいています。幅広のコンベックスを1つそろえましょう。100均のものを私は使っています。ただし、定規とメジャーの寸法の誤差を確認してから使っています。

○曲尺
 いいものを選びましょう。曲尺は幅が15mm(5分)ですが、安物は一枚の鉄板で、厚さも均一です。いいものは、幅の中央がへこんでいます。
 
挟む道具 ○Fクランプ
 100均のFクランプをまずは2本そろえましょう。加工する材料を固定するのは基本中の基本です。
接合する道具 ○電気ドライバー
 穴あけする電気ドリルを使います。接合はコークスクリューに代表される木ねじを使います。ホゾやミゾを使った接合には、いろいろな道具類が必要になり、本格的なものになっていきます。固定は木ねじ固定でダボ埋めと限定すれば、道具類も増えず、作品もある程度は作れます。

○木工用ボンド
 白いボンドです。100均で売られているような小さなものを1つ用意しましょう。使い切ったら詰め替え用のものを買い、補充しましょう。容器は補充してリサイクルしますので、100均のではなく、逆さにして立てておける容器のものがいいかも知れません。

○コークスクリュー
 木ねじも、箱買いだと安いですが、あえて、透明プラケースに入った少量ずつ買っていきましょう。箱買いだと、3,4種類の長さの違うものでも相当な場所を取ります。
塗装の道具 ○刷毛
 塗装には必需品ですので、いちいち説明する必要はありませんね。

○塗料バケツ
 私は、100均で売られているステンレスのボールを使っています。ほかのものでも代用できます。

○塗料
 道具ではありませんが、当然必要なものです。油性ウレタン塗料、オイルステイン、油性塗料、オイルフィニッシュ、薄め液、水性ステイン、水性ニス、水性塗料など、いろいろあります。すべて試したいところですが、できれば少ない種類に限定していくほうがいいと思います。水性の方がてがるですので、水性に限定するのも一方法です。ですが、水性でも、水性ニスだけでも、チーク、マホガニー、メープルなどいろいろあります。ともかく、種類を増やすと限りなく増殖しますので、注意が必要です。
収納の道具 ○道具入れ
 道具入れとして、わたしは みかんの集荷コンテナを使っています。出し入れが楽です。
その他 ○作業台
 当面は、みかん箱を作業台にする。みかん箱に天板をつけて、作業台とするのもいいでしょう。みかん箱を引き出しにできる箱を自作して作業台とするのもいいアイデアだと思います。

 以上、こんなところでしょうか。こんな慎ましやかな木工が本当は私の生活スタイル、環境に合っていました。でも、買い置きしてしまった木材は使い切ってしまわないとなくなりません。そろえた道具は、壊れるまで使うだけです。もし、これから木工を始める人は、生活スタイル、環境を考慮して始めてください。