「さんらいふ」2003年7月号
夢は人を動かし元気にさせる
菜の花で広がるネットワーク
未来創りねっと「なの花クラブ」(浜北市)
地域にある資源を地域内で利用し、資源循環型の地域づくりを目指そうと、休耕地に菜の花を栽培する動きが全国的に見られる。これは「菜の花プロジェクト」と呼ばれているが、浜北市に昨年の秋誕生した「なの花クラブ」は、5月末に大型コンバインを使っておよそ800キロの菜種を収穫。引き続き、菜種油の製造、利用、廃油の回収と、ネットワークを利用した活動を進める予定だ。(山形美恵子)
菜の花プロジェクトとの出あい
「3年前、滋賀県の菜の花プロジェクトについての講演を聞いて、いつか私もって思ったんです」。こう語るのは菜の花プロジェクト立ち上げ時からのメンバー、市川智佳子さん。休耕田に種をまいて収穫する、菜種油を作って売る、利用する、廃油を回収して農機具などのリサイクル燃料として使う等々。これがドイツに端を発した菜の花プロジェクトの活動概要だ。
雑穀の勉強会で出あった和田里美さんもこの考えに共感、菜種の入手をきっかけに、活動をスタートさせようということになった。同じころ磐田農業高校でもこのプロジェクトに取り組むという情報を得、テンションはヒートアップ。
有機農業を営む中道さんも参加
が、種をまく畑がない。耕作していない畑はたくさん目にするが、どうやって誰から借りていいのか、かいもく分からない。やると決めた2人は、アイガモ米を浜北市内野で作っている中道農場の中道達哉さんに白羽の矢を立てた。「私たち2人とも、中道さんとこのお米食べてたんです」
地主との交渉、荒れ地への肥料(カキガラ)の投入と、中道さんの動きはすばやかった。「PTA活動で、地域に教育力がなくなってるんだなあって思い知らされました。子供たちを地域のみんなで育てていくきっかけになるようなことができないかって考えていたところへ、この話でしたから」。環境美化に取り組む「郷土を愛する会」の小学生の協力も得て、浜北市内4ヵ所、浜松市内2ヵ所の畑に、菜の花の種をまくことが出来た。
課題は刈り取り
2月上旬、お花見をかねて菜の花まつりが開かれた。参加者は約100人。摘んだつぼみで天ぷら、なの花の入ったおむすびも振舞われた。
菜種を刈り取って、搾油もするというクラブの活動が知られるようになると、あちこちから声がかかるようになった。65アールもある「浜北市上善地花の会」の菜の花畑の刈り取りを引き受けたまではよかったが、大型のコンバインなしでは刈り取りは不可能。今度は袋井の農家に掛け合い、なんとか借りることができた。中道さん運転のコンバインのおかげで、菜種の収穫高は予想を上回り、およそ800キロ。
初年度の経験を足場にさらに運動を広めたい
「菜種油を絞ってもらうには種が1トン以上まとまらないとダメだと聞いていますが、磐田農高などとタイアップして量はなんとか確保できる見込みです。絞ってくれるところですか?これから探すんです(笑)」
菜の花で地域循環という目的を実現するには、コンバインを活用して大量の菜油を収穫することが大前提だ。今のところ、コンバインの借り賃も含め赤字だが、来年からは初年度の経験、実績を足場に、公的な補助金なども使って活動費を生み出せるスタイルの運動にしていきたい、と運営にかかわる3人は夢いっぱい、元気いっぱいだ。