ウォットは、静岡県浜松市にある、浜名湖を体験学習できる水族館です。





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 クルマエビ 

★クルマエビってどんなエビ?★

クルマエビは浅い海にすむエビで、本州以南の太平洋、インド洋 に広く分布し、最近では地中海にも住んでいます。


クルマエビ


クルマエビは食用エビのなかでは最もおいしいとも言われ、イセエビと並ぶ高級(値段の高い)エビのため、各地で養殖や栽培漁業(子供を海に放流して増やして採る漁業)が行われています。


★クルマエビはどこにすんでいるの?★

クルマエビは通常は水深10〜20m以浅の、浅い海底が砂や砂泥の海にすんでいます。夜行性で、昼間は砂の中に潜っていて、夜になるとエサをとるため砂から出て動き回ります。

浜名湖では、ほぼ全域にかけて水深3〜4m以浅の比較的浅い場所にすんでいます。大きめのエビは比較的深いところにいて、小さなエビは干潟などの浅いところにいます。潮干狩りをしていると小さめのクルマエビが砂から飛び出てくることがあります。

浜名湖にすんでいるクルマエビは13cmくらいまでの小型のもので、 大きくなると外海(遠州灘)に移動します。夜間に潮の流れに乗って、流れるように出ていきますが、このときをねらってエビをすくい取る漁もあります。

産卵は遠州灘で行われ、生まれた子供は再び浜名湖の中に入ってきて、湖内で成長し ます。つまり、クルマエビにとって浜名湖は子供が育つ「保育場」としての役割を果たしているのです。

クルマエビは冬になり水温が低下すると深場に移動し、砂に潜って越冬します。浜名湖では12〜1月頃までには越冬に入り、水温が13〜15℃になる4月頃から再び活動を始めます。


クルマエビと浜名湖


★クルマエビはどのくらい大きくなるの?★

クルマエビは最大30cmになりますが、普通みられるのは大きくても20cmくらいまでです。 寿命は2〜3年で、メスの方がオスより一回り以上大きくなります。浜名湖に住んでいるのは、多くが生まれて1年以下の大きさ13cmくらいまでの小型のエビです。


★クルマエビはどうやって増えるの?★

クルマエビは、直径0.24mmくらいの小さな沈下性の卵を、数十万〜百数十万粒生みます。オス、メスはおなかの器官の違いで識別できます。

オスは脱皮直後のメスと交尾し、メスのおなかの器官に精子の入った「受精のう」を納めます。交尾したメスには「交尾栓」と呼ばれるオスの器官が差し込まれ、他のオスと交尾するのを防ぎます。メスは成熟し産卵するまで精子を「貯精のう」という器官に保存しており、そのため産卵はメスだけで行われます。

産卵は浜名湖周辺では4〜10月に親エビのすむ外洋(遠州灘)で行われ、親エビは夜間泳ぎ回りながら産卵します。1尾の親エビは、産卵期間中に数回産卵を行います。

卵は半日〜1日でかえり、「ノウプリウス」と呼ばれる浮遊幼生になります。その後、「ゾエア」、「ミシス」と呼ばれる浮遊幼生期を経て、1週間位で「ポストラーバ」と呼ばれるエビの形をした幼生になり、1cmくらいの「稚エビ」になると底生生活に移りま す。


クルマエビの成長


★クルマエビは何を食べているの?★

クルマエビは生まれたばかりの頃は植物性のプランクトンを食べますが、後は親エビまで 動物性のエサをとります。

浮遊幼生の頃は植物性・動物性のプランクトンなどの小さな生物、稚エビになると親と同様、貝類、ゴカイの仲間、魚の死骸などを、小さなはさみのついた足でちぎって食べます。


★クルマエビの赤ちゃんを浜名湖にたくさん放しています★

クルマエビは値段が高く漁業の対象として重要なため、人工的に子供(種苗)を作って 放流しています。種苗を放流して海で増やしてとる漁業を「栽培漁業」、そのための種苗を作ることを「種苗生産」と呼んでいます。

静岡県では、クルマエビの種苗生産は御前崎市にある「静岡県温水利用研究センター」で行っています。

ここでは、天然産の親エビから卵をとり、約1ヶ月半の期間エサや水槽を 変えながら15mmくらいの稚エビサイズまで育てます。それから、浜名湖の浅瀬に張った 囲い網の中にトラックで運んで収容し、エサをやりながら2週間、3cmくらいになるま で「中間育成」します。その後、囲い網をはずして稚エビを「放流」します。

クルマエビをとる漁師さんは放流のための負担金を出し合い、種苗を購入しています。また、中間育成の作業は漁師さんたちが行っています。




囲い網に収容(中間育成)


クルマエビの漁獲量と放流尾数



★クルマエビはどうやってとっているの?★

浜名湖ではクルマエビは、主に角建て網や袋網と呼ばれる小型定置網を用いた「袋網漁業」(魚介類 を垣根状に張った垣網で返しのある袋状の網に導き入れてとる漁業)や、「流し網漁業」(潮の流れで垣根状の網を流してエビやカニをとる漁業)でとっています。

その他にも浜名湖の伝統漁業として観光でも有名な「たきや漁業」(夜間灯りで海底を照らして「たも網」や「やす」でエビやカニをとる漁業)などでもとっています。




角建網(袋網)


★クルマエビの仲間にはどんなエビがいるの?★

クルマエビの仲間には食用エビとして重要なものが多く、「ブラックタイガー」として有名な ウシエビ、「大正エビ」と呼ばれるコウライエビ(タイショウエビ)やインドエビなどもこの仲間です。

浜名湖でみられるクルマエビの仲間は、クルマエビ(浜名湖での呼び名:まき)、クマエビ(同:あかあし、くま)、ウシエビ(同:くま、からす、ブラックタイガーと同じもの)、ヨシエビ(同:ぼそ)が主なものです。

クルマエビとヨシエビは浜名湖周辺で産卵していますが、クマエビ、ウシエビは南方系のエビで、子供(浮遊幼生)が南の海から黒潮に乗って浜名湖に流れ着いて湖内で成長しています。そのため、黒潮などの海流の状況によってたくさん採れる年と少ない年があります。


(解説:水産技術研究所浜名湖分場)



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